2021.12.23
# ビジネス

「オシャレ」が死んだ日本を、「ダンス世代」の若者たちが“覚醒”させ始めたワケ

Z世代が「ファッション」を盛り返す
小島 健輔 プロフィール

ファッション業界については経済産業省より環境省のほうが現実を見極めた具体的な提言を行なっており、今春の「ファッションと環境」調査報告、「サステナブルファッション」提言は環境に優しいSDGsをリードするタイムリーなアプローチが注目された。

ファッション業界に必要なのは夢みる未来ではなく、敗戦からのサステナブルな整理・復興ではなかろうか(筆者の近著『アパレルの終焉と再生』を参照されたい)。

クールジャパン政策はアジアの進化と成長を見くびった大東亜共栄圏感覚のナショナリズムが空振りして挫折したが、それから数年しか経ない現在、トレンドでも韓国や中国に引き離されつつある現実を見る限り、ファッションも家電やパソコン、半導体と同じ運命を辿るのかと悔やまれる。

 

Z世代がダンス感覚でファッションを盛り返す

マーケットが衰退して韓国や中国に引き離されていく我が国だが、希望がないわけではない。

韓国や中国の追い上げが激しいアニメやRPG(ロールプレイングゲーム、今年は韓国発のRPGドラマ「イカゲーム」が席巻)、日本発MMDの世界では、なんとかリードを保っている(視聴数を稼ごうとすれば中国人好みになるのは致し方ないが)。

そんなデジタル・エンタメ世界を盛り上げているのが、前世紀末から09年までに生まれたZ世代だ。

※MMD(MikuMiku Dance)・・・樋口優氏が開発して無償公開した、3D・CGキャラクターをボーン操作(骨格パーツの回転)してアニメーションを作成する3D・CGソフトで、初音ミクなどデフォルトのボーカロイド・キャラクターに加え、ユーザーが独自のキャラクターや衣装、モーションやエフェクト、カメラワークを創作してユーチューブやTikTokに大量に投稿している。
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