2021.12.22
# マンガ

「死ぬ」という言葉が降りてきた…芥川賞作家・李琴峰×漫画家・宮城みち、「創作秘話」語る特別対談

母を亡くした中学生男子を、“母の元カノ”3人が育てる。一風変わった共同生活が話題の『母の元カノと暮らした。』。

最新1巻の発売を記念して、『彼岸花が咲く島』で第165回芥川龍之介賞を受賞された李 琴峰さんと宮城みち氏の対談が実現しました。実はこのお二人……「はじめまして」じゃないんです。

李 琴峰さん
李 琴峰(り・ことみ)日中二言語作家、日中翻訳者。
1989年台湾生まれ。2013年来日。2017年、初めて日本語で書いた小説『独り舞』が第60回群像新人文学賞優秀作に選ばれ、デビュー。2021年、小説『ポラリスが降り注ぐ夜』で第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞を、『彼岸花が咲く島』で第165回芥川龍之介賞を受賞。

世の中は「強いセクシャルマイノリティ」ばかりじゃない。

李琴峰(以下、李) 『母の元カノと暮らした。』読ませてもらいました。状況設定が面白いですね。自由奔放な晴海に翻弄された元カノたちが、その晴海の息子を引き取って育てる……ほのぼのとした日常シーンに触れて、温かい気持ちになりました。

宮城みち(以下、宮) 李さんにそう言ってもらえて、とても嬉しいです。私も李さんの小説は以前から読ませてもらっていて。『ポラリスが降り注ぐ夜』には、セクシャルマイノリティは「テレビに出ている活動家のように強くならないといけない」と思いこんでいる女性が登場するんですけど、「強さ」を引き受けられる人ばかりじゃないよねって、この作品に教えてもらえた気がします。李さんの小説には、勇気をもらいました。こうして再会できて光栄です。

 ありがとうございます。宮城さんが漫画家になられていると知らなかったので、対談のご依頼を頂いた時は驚きました。

 本当にお久しぶりです!

 学生時代以来ですね。お元気そうでよかったです。

 東 小雪さんが主催されたセクシャルマイノリティの交流イベントでお会いしたのが最初ですよね。後日、共通の友人宅で鍋パをして……。

 それ以来、連絡が途絶えてしまいました(笑)。

 申し訳ないです……(笑)。当時は東京の大学に通っていたのですが、その後は地元の沖縄に帰ってしまいました。李さんは当時、留学生だったんですよね。

 

 2011年に早稲田大学で1年間留学をして、宮城さんとお会いしたのはその時ですね。その後2013年に再び来日して、大学院で勉強を始めて。それ以降はずっと日本で暮らしています。

 その後のご活躍はずっと追いかけていました。母語ではない日本語で小説を書かれて、数々の賞を受賞されて…初対面の時に感じた「この人、頭いいなあ」という印象は間違ってなかったんだ…と。ちなみに李さんは、漫画は読まれますか?

 最近は執筆や講演であまり読めていませんが、学生の頃はそれなりに。中高生の頃は『デスノート』や『名探偵コナン』『犬夜叉』、大学生の頃は日本語の勉強を始めていたので『ちはやふる』『進撃の巨人』を日本語版で読んでいましたよ。そう言えば、城平 京さん原作の漫画が結構好きで、今年『スパイラル~推理の絆~』を再読しました。

 読んでる漫画が同世代……!

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