沖縄の米軍基地でオミクロン株が検出
沖縄県の米海兵隊基地「キャンプ・ハンセン」で基地従業員の50代男性が新型コロナウイルスの変異株オミクロン株に感染した。県内でオミクロン株が検出されたのは初めて。
沖縄県は18日、県内で新たに2人が新型コロナウイルスのオミクロン株に感染したと発表した。米軍キャンプ・ハンセンに勤務する軍属の米国人女性とその家族という。キャンプ・ハンセンでは18日までに米本国から派遣された米兵158人のクラスター(感染者集団)が発生、基地従業員の感染との関わりが強く疑われている。

問題は、米軍基地にゲノム解析できる機器がなく、米本国で検査するしかないことだ。17日、ゲノム解析を求めた沖縄県に対し、米軍は実施に消極的だった。米軍が協力しない場合、感染源が突き止められないおそれがある。
50代男性は12日に症状があり、PCR検査を受診して14日に陽性と診断された。県衛生環境研究所に検体が送られ、17日にオミクロン株感染が確認された。渡航歴はなく、基地内で感染した可能性が高い。
一方、感染した米兵158人はいずれも世界規模で兵士を移動させる米軍の「部隊配置計画(UDP)」により今月初旬、米軍機で米本国から米空軍嘉手納基地へ直接入国した。キャンプ・ハンセンに移動後、16日に29人の感染が判明、17日には70人、18日にはさらに59人の感染がわかり、合計158人となった。
米軍は「兵士らは行動制限下に置かれており、基地外の地域住民との接触は一切ない。陽性者全員は隔離下にある」と説明しているが、隔離隊舎は数人の相部屋になっており、部屋の外に出た可能性は否定できない。
キャンプ・ハンセンには約600人の日本人従業員が働いている。沖縄県側の「感染が判明した米兵との濃厚接触がなかったか」との問い合わせに米軍は肯定も否定もしていないという。