2021.12.24
# ビジネス

コロナ後、黄金の20年代がやってくる!!……とんでも予想ですが

大公開、2022年奇想天外シナリオ
高田 創 プロフィール

「100年に1度」が毎年起きる時代

リスク管理の世界では、想定外のことを「テール・リスク」として議論する。テール・リスクとは想定もしていないことが起きるリスクのことを指すが、リスク管理では標準的な確率分布のなかで「裾野」・「尻尾(テール)」で生じる確率の低いイベントのことを指す。

このテール・リスクは確率的には非常に低いイベントながらも、実際に生じると影響が大きい事柄であり、「ブラックスワン」(Black Swan)として議論されることが多い。

筆者もエコノミストとして毎年予想を行う必要があるが、いつも投資家に申し上げてきたのは、「予想」をカタカナで書くと「ヨソウ」になるが、反対から読むと「ウソヨ」(嘘よ)になるとの点だった。

しょせん、予想とはそうしたものであり、実際には、最近「100年に1度」とされるイベントが頻発し、昨今はコロナで誰もが実感した。世界中で起きる地政学的なこと、金融市場で生じること、内外の気候変動など事例は事欠かない。

従来、気候変動については、「お天道様の下で起きることはどうしようもない」として片づけられたが、いまや、自然災害が生じても「想定外」で済ませられない時代になっている。

今日、あえて固定観念を払拭すべく「真剣に遊ぶ」ことが必要な時代だ。以下に2021年の「とんでも予想」がどうであったか示しておく。

振り返れば、予想に登場した菅首相は既に退陣となった。また、予想通り東京五輪が史上最多のメダルだったのは嬉しい的中だった。予想にとりいれたシングル担当大臣は、実際に、孤独・孤立担当大臣の設置で実現した。また、原油価格は2020年のマイナスから一転し、予想の100ドルとまでにはならなかったものの90ドル近い大幅上昇になった。

今日、VUCA(ブーカ)の時代、(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)変動性が高く予想不可能な時代ともされる。VUCAは元来、軍事用語として用いられたが、軍事的視点の薄い日本にとっては、より想定外に備える戦略・発想が必要になる。

 

現実は、とんでも予想以上にとんでもである。それだけに、とんでも予想自体が、年を追って一段と奇想天外なものになっているのは、そうした現実に歩調を合わせざるを得ないからである。2022年もとんでも予想の枠を超える想定外のことが実際に生じるに違いないと展望している。

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