トラブルメイカーの新任米国駐日大使、ラーム・エマニュエルの実像

これがバイデンの「日米関係重視」
ロバート・D・エルドリッヂ プロフィール

エマニュエルと共に来日する課題

アメリカ国内の動きに鈍い日本政府は、10月の承認審議をちゃんとみたかどうかわからないが、その過程でエマニュエル氏には次の5つの宿題が与えられ、対日圧力がかかってくると思われる。

1)防衛費増加、2)国際貢献、3)貿易・サプライチェーンに関する協力、4)日本にいる米国市民に関する法律・司法問題、5)日韓関係改善(ある上院議員は日韓関係の悪化は日本のせいだと思っているようだ)。

さらに3つ付け加えよう。まず、日本は科学技術やイノベーションに大きな力を注いでいるが、エマニュエルは、非常に面白く書かれた2020年の著書『The Nation City(国家に負けない都市)』によると、シカゴをビジネスと研究のハブにしようとしたとき、これらの分野にも大きな関心を寄せたという。エマニュエル大使は日本政府、特に内閣府、文部科学省、科学技術・イノベーション会議と密接に連携し、学術研究や応用研究のさらなる拡大と成果の普及を支援してほしいものだ。

2つ目は、ユダヤ教の信仰を持ち、イスラエルと強いつながりを持つエマニュエル大使は、青春時代の多くを過ごしたイスラエルと日本との関係を促進するのに役立つはずだ。お互いにまだ気づいていないが、両国は同盟国であり、特にサプライチェーンや経済安全保障、サイバー、宇宙などの安全保障上の課題の分野で、今後ますますお互いを必要とするようになるだろう。

 

第3に、日本政府に向けたものではないが、在日米軍基地、特にキャンプ座間での日本人労働者の待遇の悪さや不当解雇などに関する深刻で真剣に受け止めるべき苦情が日本の各紙で報道されているが、そのような問題を一掃することである。

残念なことに、在日米軍司令部も陸軍省もそれについて何もする気がないし、やっていると感じない。この対応は、日本における米国の上級代表である米国大使の多くの役割の1つである。エマニュエルは行政の問題の解決が得意。彼の有名なニックネームの1つである "Rahmbo (ジルベスター・スタローン主演映画「ランボー」の主人公)"が、少なくとも、この在日米軍の日本人従業員の対応改善にできることを期待しよう。

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