米中は中国恒大債務危機問題のもみ消しを図るつもりなのか?

その先は結局、世界「複合危機」だ
大原 浩 プロフィール

「金融」と「インフレ」の「複合危機」

つまり2022年以降に予想される大乱はリーマンショックのような単純な金融危機ではなく、「金融危機」と「急速なインフレ」という複合危機である。金融危機の際には、潤沢な資金供給と利下げが必要だ。逆にインフレに対しては、真逆の政策である利上げと財政支出の絞り込みが必要不可欠である。

つまり、我々は「金融危機」という前門の虎と「インフレ」という後門の狼を同時に迎え撃つことを迫られるかもしれないのだ。

幸いにして日本は米中に比べると問題ははるかに少ないのだが、万が一米中が同時崩壊したらその影響はメガトン級であり、余波が及ぶことは避けられない。

ただし、日本は世界経済の発展期に沈滞し、世界の危機で成長するのが過去のパターンだから、過剰に恐れる必要はない。

冷戦が本格化した1950年の朝鮮戦争から、1989年のベルリンの壁崩壊・1991年のソ連邦崩壊までの冷戦時代は、朝鮮特需からバブル崩壊までの日本の大躍進と重なる。逆に米国は、この間に1975年のサイゴン陥落以来の「失われた四半世紀」ともいえる時代を体験した。

さらに、1990年代以降の米中を中心とした世界の大躍進の中で、日本が「失われた●十年」にさいなまれたことは、改めて述べるまでもないであろう。

したがって世界がこれから「失われた四半世紀」を迎えようとしているとしても、過剰に恐れる必要はないのだ。昨年4月14日公開の「コロナ危機で、じつは日本が「世界で一人勝ち」する時代がきそうなワケ」で述べた考えに変わりはない。

また、日本は、12月11日公開「インフレに転換すれば、ニッポンの『物流企業』が復権し、「e-コマース」を支配する可能性があるワケ」3ページ目「農業も物流も日本の飛躍は『工業化』にかかっている」、4月13日公開「パンデミックをリストラの口実にしては日本では経営は成り立たない」2ページ目の「日本は中間層が分厚い」で述べた「山師経済」の国ではない。

 

日本はデフレ対応の「山師経済」は苦手だが、2月28日公開「1400年の歴史、世界最古の会社が日本に存在している…!」で述べたように、1400年の伝統によって「インフレ対応」には優れている。

だがそれでも、心の準備は必要だ。2020年は我々にとって「気の抜けない1年」になると考える。

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