マーケティングの専門家同士で、以前「コロナ後の市場」について話し合ったことがある。その際に印象深かったのは「コロナさえ明ければ、人の生活は驚くほど前とまったく同じに戻るだろう」という先輩マーケターの予測だった。
新しい習慣を根付かせるのは、非常に難しい。特にコロナのような障害があってやむなく習慣化した場合は、障害さえなくなれば、以前と同じ暮らしに戻るだろう……という見立てだった。

実際、都内では通勤による出社が戻ってきており、通勤電車はコロナ前と近い混雑ぶりだ。マッチングアプリでビデオデートが可能になっても、結局は「アポ」と称し、人々は対面で出会う。
DXによって便利になれば、さまざまな場面でオンライン化が進むかもしれない。だが、人と人とが仲良くなりたい願望には、何にもまして「リアル」が求められているのだろう。