田原総一朗87歳、下重暁子85歳が語り合う、生きる目的、そして性愛

これが正真正銘の死ぬまで現役ということ
『人生の締め切りを前に 男と女、それぞれの作法』は、なんだか、本なのにまるで目の前の舞台や生放送を観ているようなドキドキ感だった。この場に散りばめられた言葉が役に立つ、感銘を受ける、というのはさもあれど、それにもまして、お二方の魅せた「何幕かのお芝居」がなんとも見どころたっぷりだった。お二方とは、ご存知「朝ナマ」のレジェンド、ジャーナリストの田原総一朗氏と、元NHKアナウンサーで、いまや押しも押されもせぬベストセラー作家、下重暁子さんのお二人である。

世代を超えた「男の子」と「女の子」

のっけから、年齢の話で恐縮だが、御年87歳と85歳という「人生の大ベテラン」としか形容のしようがないお二方である。直接的に「死」を語るわけではないけれど、だれもが避けては通れない「人生の締め切り」を前に、彼らが語る、男女「それぞれの作法」。男なのか女なのか。若い人なのか中高年なのか。家族持ちなのかそれとも独身者なのか。読者がどの立場にいるかによっても、伝わるものが違うのかもしれない。ここらへんが、この本の紹介の難しいところ。

 

もちろん、彼らの意見は(なんらかの意味で人生の締め切りを意識し始めた)「中高年」にはぐぐぐっと響いてくるけれど、若者にはちと早い(かもしれない)。夫婦関係のあり方にしてもこれだけ「多様性」が認められつつある世の中なので、彼らの表現になんらかの「違和感」を感じることもときにはあるのかもしれない。それはしかたのないことだ。

だが、いちばん強調したいのは、このお二方には、世代を超えた圧倒的な「男の子らしさ」「女の子らしさ」がある。男らしさ、女らしさではない。性差が社会での役割として際立ってくる前のもっと原初的な男女の「あり方」の違いみたいなものが、読み進めていくうちに、どんどんとあぶり出されてくる。

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