世界94カ国を旅していた頃に出会った人や現地の様子などを綴っている、旅作家・歩りえこさんによるFRaUweb連載「世界94カ国で出会った男たち」。今回は、煌びやかなイルミネーションが街を彩るクリスマスシーズンに歩さんが思い出した、ヨーロッパの美しい街並みとともにスイスで出会った男性とのエピソードを綴っていただきました。

クリスマスに一人はやっぱり寂しい

クリスマスの本場といえば、ヨーロッパ。

 

ヨーロッパのクリスマスイルミネーションの煌びやかさは、どこもかしこも輝いて見えるほど美しい。ドイツはミュンヘンやフランクフルト、フランスはパリやストラスブール、チェコのプラハなど……巨大なクリスマスツリーやイルミネーションの幻想的な灯りで街中が温かいムードに包まれる。

フランスの老舗デパートにそびえ立つ巨大クリスマスツリーが可愛すぎた。写真提供/歩りえこ

クリスマスマーケットやレストランでは温かいホットワインを飲みながら、恋人や家族と愛に包まれた楽しいひとときを過ごす人々で溢れ返り、一人旅中の私はポツンとその光景を見つめていた。

「クリスマスって残酷だ……」世界中を一人で旅してきたけれど、美しい景色は思わず誰かと共有したくなるし、美味しい料理も誰かと分かち合いたい。一人きりで世界を渡り歩くのは価値のあることだけれど、本音を言えば寂しくてたまらない

かといって共に過ごす相手は誰でも良いわけじゃない。寂しいからといって気の合わない人と付き合っても虚しいだけだし、旅先で心から相手のことを思える人になんてなかなか出会えるものでもない。まして他人と一緒に過ごす時間は短時間であれば気にならないが、よほど気の合う人とじゃないと旅行なんてキツいし……。

ドイツのドレスデンのクリスマスマーケットでサンタのコスプレをして盛り上がる人々と。写真提供/歩りえこ

そんなことを思いながら華やかなイルミネーションが美しいヨーロッパを縦断し、スイスへとやって来た

スイスを訪れた理由は、スイスのローザンヌに拠点を置く、世界でもトップクラスのビジネススクールへの体験入学を日本人の友人に強く勧められたからだ

「リエコは協調性が欠如しまくっているから、日本にいるより海外で暮らしたほうが性に合っていると思うよ。海外のビジネススクールでも行ってみたら? 仮に成績はダメでも将来ビジネスマンとして有望なパートナーが見つかるかもよ?」

すっかりその気になった私は母校の大学教授にも相談したところ、「ヨーロッパのビジネススクールは北米と違って日本人が少ないからGMATの成績が良ければ意外と狙い目かもしれない。まあダメでも人生勉強ということで気軽な気持ちで行って来たらいい」とのアドバイスが。

まぁそんな軽い気持ちで入れるような難易度の低い学校じゃないし、学費もバカ高いから、まずはオープンキャンパスとやらに行ってみることにしようかな……。