そして、来年は中韓国交正常化30周年である。
これを機に韓国がますます中国寄りになっていけば、韓国の西側の一員としての立場はなくなり、米国からはますます見捨てられることになろう。
高まる「中国の警戒感」
徐旭(ソ・ウク)韓国国防部長官とロイド・オースティン米国防長官は12月2日、韓米定例安保協議を開催し、その後発表した共同声明で、「韓米同盟に関する北朝鮮の脅威をより効果的に抑止し、必要に応じて対応するための軍事作戦計画に指針を提供する」新しい戦略企画方針を承認したと発表した。
これは北朝鮮の核とミサイル能力が高度化したことから、作戦計画を改良したものだ。

同時に、共同声明には「台湾問題」と「5G、6G(次世代移動通信)における協力」が明示された。台湾海峡は米中対立の地政学的最前線であり、「5G、6G」は未来の軍事・産業の主導権をめぐる米中先端技術競争の核心分野である。
これらは中国けん制の意味合いの強い部分である。
共同声明から見えてくるのは、北朝鮮と中国に対する米韓軍事当局の協力が強化されるシグナルであり、米韓同盟が朝鮮半島を越えて「中国けん制」の方向に動いているとみなすことができるといえる内容であり、中国の警戒心を高めている。
中国外交部は12月3日に「厳重な懸念を表した」とし、抗議性の書面答弁書を韓国の通信社に送ってきたという。こうした中国の姿勢に、また文大統領がすり寄る態度を示せばいよいよアメリカから本格的に見捨てられることになるが、いったいどうするか。後編記事『2022年、「中国・韓国」vs「日米豪英」の“ヤバすぎる対立”が勃発する…!』では、2022年に韓国が直面するであろう"危険なシナリオ"についてレポートしよう。