中国受注の「インドネシア高速鉄道計画」ここへきて問題噴出の自業自得【2021年ベスト記事】

大塚 智彦 プロフィール

もっとも中国が進めるジャカルタ・バンドン区間と日本が参加しているジャカルタ・スラバヤ区間の高速改良計画の区間ではゲージ(線路幅)が異なることから、これを結ぶのは技術的にはかなり困難を伴い現実的ではないとの指摘もある。

中国発注に踏み切ったジョコ・ウィドド大統領がこうした現場の問題に思いを馳せることなく半ば「思いつき」で「日本のインドネシアと中国の共同事業体への参加」を口にしたのも、大統領をはじめとした「中国派」に焦りがでている証左であり、工事の遅れ、それに伴う様々な問題にジョコ・ウィドド大統領自身が「後悔」して、日本に秋波を送ったと解釈されている。

ジャカルタ・バンドン間の高速鉄道計画は現在、進捗率74%で、計画されていたトンネル工事も完了に近づき、駅も5駅設置済み、遅れながらも工事が続いている。

「中国への発注」を決めた段階から続くボタンの掛け違いともいえる数々の予想外の事態。しかし、いまさら中断するわけにもいかず、頼みの日本からは色よい反応も得られず、新たに環境問題を抱えながら、コロナ禍での建設を全うするしかないようだ。

 

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