「灰皿ひとすじ」の企業が開発した、最先端の「無水灰皿」が凄かった…!

見ル野栄司の「シブすぎ技術放浪記」
見ル野 栄司 プロフィール

こちらのシー・ファースト株式会社さんは、従来はパチンコ店などにある喫煙室の普通の灰皿を作っていました。いまでもよく使われています。そしてClear Cigarette Careのローラーの元になったのが、この無水でない灰皿の仕組みなんです。

シー・ファースト株式会社が製造している一般的な灰皿(筆者撮影)

先ほどのClear Cigarette Careと比べて、かなり大きいこの灰皿。中の仕組みはこうなっております。

©見ル野栄司
 

ここで注目したいのは、中に吸い殻を運ぶコンベアが付いているところ。このモーターの技術が、Clear Cigarette Careの圧縮用ローラーの開発に繋がったわけです。

そもそもClear Cigarette Careにはセンサーが付いていません。

なぜかというと、センサーというものは誤作動が多く、例えば吸い殻が投入されてもセンサーが反応しなかったら、ローラーが回転しないというエラーが起きてしまいます。さらに、「センサーが反応してからローラーを何秒間回転させなくてはならない」という電子回路が追加で必要になります。なかなか面倒です。

センサーがない代わりにローラーをつねに回転させ続けて、いつ吸い殻が落ちてきても消火できるようになっています。確かに必要な時だけ回転させれば電力の節約になりますが、このモーターはずっと回転させていても、たいした電力消費ではないのですね。

良い機械設計とは、シンプルに目的を達成させることなのです。

この無水・ローラー式灰皿Clear Cigarette Careを導入することで、掃除の手間を大幅に削減でき、臭いも少なくなり、くわえて汚水も出ないという環境にもいい作りに
なっています。

関連記事