「悩んだら年収で決めちゃっていいよ」
と、アドバイスすることにしている。
就活生へアドバイスをする仕事を初めて10年。複数内定を手に入れて「どこへ行こうか」と嬉しい悩みを抱える学生を多数見てきた。優秀な学生ほど福利厚生や年収よりやりがいを意識する傾向にある。
だからこそあえて「年収で決めなよ」とアドバイスするのだ。では、その「年収」を決めるものはなにか。

年収を決めるのは「優秀さ」ではない
「年収を決める要素って、何だと思う?」
就活生へこう聞くと、ほぼ必ず「優秀さ」という答えが帰ってくる。確かに、社内でもトップセールスをあげている人ならば、異例の出世を経て年収アップが期待できるだろう。2015年、三井物産では安永竜夫氏が32人をごぼう抜きし、当時54歳の若さながら社長へ就任した。
しかし、ここまでの出世は異例中の異例。だれもが管理職になれるわけではない。それどころか、出世レースに参加することすらできない非正規雇用は全体の4割を占める。
マイナビの調査によれば、全業種で最も平均給与が高いのが外資系金融の1316万円。最下位は生活協同組合の389万円となっている。実に3.4倍もの給与格差が求人全体で生じているわけだ。