前澤友作さんの「ISS滞在」に続け! 実はスゴイ「日本の宇宙ビジネス」
前澤友作氏のISS滞在が面白かった。故・笹川良一氏はNASAに燃料代払うからスペースシャトルに乗せろと言ったとか言わないとか、そんな時代から民間人が本当に宇宙に行ける時代がやってきたのだ。とはいえ前澤氏が宇宙から送ってくるレポートを見る限り、金銭的にも時間的にも体力的にもあまりにも厳しく、観光というよりはいまだ冒険。観光として成立するには、まだ30年ぐらいかかりそうではある。
観光でなければ、宇宙にどんなビジネスがありえるのか。人工衛星がビジネスになると言われても、公的なデータ以上のニーズが果たしてあるのか。
そんな折、メディアのDX事業を手掛けるINCLUSIVE株式会社が、実業家の堀江貴文氏が出資するロケット製造企業インターステラテクノロジズ株式会社に投資したというニュースが流れた。
DX企業が宇宙で何を?
代表取締役CEOの藤田誠氏に宇宙ビジネスの展望を聞いた。

DXからSXへトランスフォーメーション
「異業種という認識を私は持っていません」
藤田氏がインターステラテクノロジズ社と資本提携をしたきっかけは、北海道の地元メディアをリブートする中で地元企業である同社の稲川貴大氏と会ったことだった。
「インターステラテクノロジズ社は十勝の大樹町にあるのですが、大樹町に宇宙港を作ろうという計画があるんですね。それを聞き、ぜひ何か協力できないかと」
インターステラテクノロジズ社はロケットで貨物を打ち上げるペイロードの会社だ。人工衛星打ち上げのためにはロケットの開発が必要だが、現状では同社のロケットはまだ衛星を軌道投入できる高度まで達していない。この状況での出資にリスクはないのか?
「同社のロケットは宇宙圏と呼ばれる80~100キロ圏までの到達に成功しています。アメリカには同レベルの民間宇宙会社ロケットラボがありますが、5000億円ぐらいの事業価値評価がついています。日本で行っているロケット開発として、これからの可能性は非常に期待できると思います」
ちなみにJAXAの年間予算が1500億円。日本の経済が停滞しているというが、日米の宇宙ビジネスに対する熱の違いにその理由が表れている気がする。
「ロケットを作れる国は限られます。産業の総合力がないとロケットは作れない。日本はそんな国のひとつなので、JAXAだけに任せていないで民間でも作ってドンドン打ち上げればいいと思っています」
インターステラテクノロジズ社にはトヨタなどの大手メーカーからエンジニアがどんどん派遣され、技術革新が進んでいる。宇宙技術のような新しい分野はトライ&エラーの繰り返しだ。そこからイノベーションが生まれ、スピンアウト技術も生まれるが、官製では自由度は低すぎる。自由にできる環境は民間のしかもベンチャーしかなく、だからビッグビジネスが生まれる可能性は極めて高くなる。