初の女性主人公
1部の1880年・イギリスから時を経て、6部の「ストーンオーシャン」は2011年のアメリカを舞台にしています。物語は、主人公の空条徐倫(くうじょう・ジョリーン)が冒頭でいきなり弁護士にハメられて、無実の罪でフロリダ州のグリーン・ドルフィン刑務所に服役するところから始まります。
徐倫は、3部の主人公である空条承太郎とアメリカ人の母親の間に生まれたジョースター家の血を受け継ぐ娘ですが、過去に起こった事件から「父に捨てられた」と考え育ってきました。
それが、久しぶりに姿を見せた父が身を挺して自分を助けてくれたことを契機に、徐倫は死に瀕する父を救うべく黒幕のプッチ神父との対決を決意します。
そして常に満身創痍になりながら、徐倫たちは続々と襲い来る刺客を迎え撃ちます。そんな刺客たちの中から今回、中盤に出てくるDIOの三人の息子の一人・リキエルをピックアップしたいと思います。
独特すぎる髪型と牛みたいな服、そしてパニック障害を抱えて瞼が勝手にストーンと落ちたり手が汗でビショビショになったりするこの敵は、6部に登場する多彩なキャラクターの中でも、そしてこれまでのジョジョの中でも特に異彩を放っています……と、個人的には思っています。なんなら、彼に引きずられる形でジョジョの世界そのものが大きな変容を遂げるほどに。
リキエルのスタンド「スカイ・ハイ」は、ある生き物を操ります。過去にも炎とか砂とか操るスタンドはいましたが、特定の生物を操るスタンドはかなりレアです。実際、うまく使えば相当強いことが示唆されています。
しかしながらリキエル、調子の良かったのは最初だけで、すぐに窮地に追い込まれます。