アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 Part6』、実はある意味「神回」を期待できるワケ

いよいよ1月7日地上波で放送
高木 敦史 プロフィール

1部でジョナサンは吸血鬼になった宿敵ディオを命を賭して倒します。2部では孫のジョセフがディオの上位存在である柱の男たちに、これまた全身全霊で立ち向かいます。3部では更に孫の承太郎が生きていたDIOを倒すために冒険の旅に出て、4部では小さな街に巣くう邪悪と、5部では悪辣なギャングたちと……と、皆が己の人生を賭して闘うのです。

というわけで、この『ジョジョ』は、第何部を切り取っても全て知命の物語といって過言ではありません。また、同時にその知命を「受け継ぐ」物語でもあります。

主人公は1部から脈々と交代していきます。同じ部の中でも、師匠から弟子へ、仲間から主人公へと意志が受け継がれていきます。そしてこの6部の半ば——リキエルの登場からは、意思を受け継ぐのは主人公たちだけではなくなっていきます。

リキエルの登場を境目に、ジョジョは誰が敵で誰が味方か、誰が正義で誰が悪かという概念さえも飛び越えて、全ての登場人物が己の成長と幸福を目指して闘う物語になっていきます。リキエルの登場はその前兆であり、彼は『ジョジョ』という物語自体の分岐点とも呼べる存在だと思います。

 

自分を救ってくれる相手との運命的な出会いから目標を見出し、己の精神の成長を渇望する。これだけ書くと主人公そのものです。そう、リキエルは6部において、裏の主人公とすら言えるかもしれません。

徐倫は父に。リキエルは神父に。「救われた」同士のふたりが、互いの譲れない知命のために対決する。バトルは最後まで熱いもので、それが今回のアニメでどれほどカッコよく描かれるのかが今から楽しみでなりません。というわけで、今回はこの辺で!

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