文春砲『線虫がん検査「精度86%」は問題だらけ』があまりにお粗末と言える確固たる理由

木原 洋美 プロフィール

メールのやり取りの一部だけを切り取り

6.『ガイアの夜明け』で陽性を陰性と伝えた?

「20年1月7日放送の『ガイアの夜明け』の取材で行った検査でも、広津代表が結果を決めている。

「二人の被験者検査が行われ、両名ともがんではないと放送されましたが、実は一人はがんの判定が出ていたのです。ところが社長は、『がんではない』と伝えた。がんと判定される人を映すインパクトが大きく、その後の責任追及や検証を恐れたと思われます」(元社員)」

――この記載についてもH社は「メールのやり取りの一部だけを切り取って、あたかも判定結果を変えて報告したように印象付けています」と言っている。

文春の記者の「判定結果を変えて報告したのではないか」という問いかけに対して、H社は「実際は、個人の判定結果をテレビで流していいかを議論し、その中で個人の了解を得られたことから、そのシーンの撮影にOKを出した」と回答したという。だが主張は捻じ曲げられた。

両者の主張がここまで乖離していると、どちらを信じたらいいのか迷ってしまうが、H社が言うように、問題にすべきは「個人の判定結果をテレビで流していいのか否か」であって、陽性を陰性と伝えたか否かではない。そうした局面において、広津代表が「結果」を判断するのは当然ではないだろうか。

 

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コロナ禍の影響で、ただでさえ低かった日本のがん検診受診率は対前年比で30.5%もの大幅減になっているという。(日本対がん協会、2021年3月24日発表)

また、医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンの調べでは、来年度(2022年4月~23年3月)にがん検診の受診を控えたいと考える人は23.6%に上っていることが分かっている。(12月25日発表)

がん検診を受けない理由の1位は「検診を受ける時間がない」(30.6%)で、2位は「健康状態に自身があり、必要性を感じないから」(29.2%)だが(内閣府政府広報室、2017年調査)、「がんのリスクが高い」ことが、痛くなく、簡単に、高精度で分かったとしたらどうだろう。「それならがん検診を受けてみよう」という気になるのではないだろうか。

がんは、自覚症状がないうちから検診を受けなければ早期発見・早期治療は難しい。

文春は「がんと判定された人間の不安は計り知れない。「検査を受ける人を増やしたい」という理由で、不安を煽っていいはずがない。」と言うが、煽ることと促すことは違う。

N-NOSEは、検診が必要なのにもかかわらず、必要性を感じてない人に、がん検診を受けるきっかけを与える有益なスクリーニング検査だ。

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