モノを整理するために購入した家具にモノが…
2021年も残すところあとわずか。毎年この時期になると「早く大掃除しないと!」と思いつつも、つい掃除は後回し、そして汚れやいらないモノをため込んだまま新年を迎えてしまう…そんな人も多いのではないでしょうか。
そんな時は一息ついて、「断捨離コミックエッセイ」でひと笑いしませんか?少し気分が晴れたら、また片付けたい意欲も盛り上がってくるかもしれません。
自身も片付けが苦手というイラストレータのなとみみわさんが描いた漫画『コミックエッセイ 1ヵ月でいらないモノ8割捨てられた! 私の断捨離』(講談社)では、片付けが苦手な人ならではの挫折の数々と、その克服法が凝縮された一冊。
とくに共感の声が高いのが、なにより、なとみさんが「超片付け下手」だというところ。
なとみさんは、24年ぶりに1人暮らしとなり(理由はお察しください)、築24年の1DKのペット可物件を「自分のお城」として引っ越し、家具もお気に入りの北欧系でそろえて「これを絶対キープさせる!」と意気込んでいました。
しかしその5ヵ月後……広いデスクで仕事をしたかったのに、その上には荷物がぎっしり。デスクに置かれたプリンターを置くためのワゴンを買ったはずなのに、そのワゴンにはすでに別の荷物がぐっちゃり……。
「これぐらいなら、本気で片付けたらすぐ片付くよね?」
と自分に言い聞かせながら、日々を暮らし、気づけば床にまで荷物が溢れかえっていたのです。

多少汚くても死にやあしないと思っていたけど
この話を、他人事とは思えない人は少なくないのではないでしょうか。モノであふれかえり、整理をするために入れる籠や家具を購入、しかしその家具の上まで荷物がぐっちゃり……。
なとみさんは、小さい頃から母親に「片付けなさい!」と叱られていたタイプ。とにかく面倒くさがり屋で、使う物は手の届くところに置いておきたいし、一度座ったら二度と立ち上がりたくない。部屋を掃除するのは、人が遊びに来るときか、ホコリでくしゃみが止まらなくなった時。
そして思っていたのです。部屋が散らかっていても、別に死ぬわけじゃないし! と。
しかし、仕事に関するモノを探すだけでものすごく時間がかかるようになり、探すだけでも疲弊するようになりました。しかしそれも最初は「妖怪モノかくしのしわざ」「必要なものほどなくなる」とうそぶく始末……。

さらに、愛犬が家の中で粗相をしてしまった原因も、もとをたどれば自分が放置したモノが犬のスペースにまで侵食していたことが原因だと気づきました。
そしてなとみさんは決意するのです。
「私に必要なのは断捨離だ!」と。
そこから「断捨離」提唱者のやましたひでこさんのレクチャーを受け、1ヵ月でいらないモノを8割捨てたという断捨離の体験は、「捨てられないひと」にはとてもリアルに伝わります。そしてなにより片付けに大切なのは、「モノを減らすことを大切だと本気で感じること」だと教えてくれます。
今回は『コミックエッセイ 1ヵ月でいらないモノ8割捨てられた! 私の断捨離』の中から第1話、新居に越してからいつのまにか「モノを探し続ける女」となっていった様子を試し読みでお届け。
「片付けは単にきれいに見せるだけではなく、自分の生活を大切にするために必要」だと気づいたなとみさん。ホテルのようにきれいにせずとも、モノを探すだけで時間をかけ、イライラしていたころから、自分が健康的に暮らすことのできる環境を作る大切さを、なとみさんの体験はユーモアを含めながら伝えるのです。