主にインスタグラムで「結局怖いのは人間だよね」というテーマで漫画を描き、53.8万人のフォロワーがいる、ちなきちさんの人気作『僕と帰ってこない妻』。主人公は妻と子を持つ、ごく普通の会社員・倉田和樹。周りからはイクメンでよくできた夫だと評価されていますが、妻の雪穂が家出し帰ってきません。なぜ2人はすれ違ってしまったのか。夫婦関係が変化した妊娠初期に、切迫流産になってしまったことを和樹は振り返ります……。前編【妊娠初期に「切迫流産」と診断…ベッドでひとり泣く妻が語る、疑わしい「涙の理由」】から続く、後編記事です。

妻が寝室で泣いていた、本当の理由とは

ごくごく普通の夫婦に起きたすれ違いを描いた漫画『僕と帰ってこない妻』。主人公の和樹は「家族サービス」をしっかりするという自称イクメン夫。誰もが羨む円満な夫婦関係だったはずなのに、ある日突然「書置き」を残して妻の雪穂と子供が出ていってしまいます。思えば雪穂と和樹の関係性に変化があったのは、雪穂の妊娠が発覚したときからでした。

ある日の仕事中、和樹は雪穂から「切迫流産と診断された」という連絡を受けます。心配しながら自宅へ帰ると、そこにはベッドに横になりながら静かに涙を流す雪穂の姿がありました。気丈に振舞う雪穂でしたが、その様子は明らかにいつもと異なっていて……。

『僕と帰ってこない妻』#10・前編より。漫画/ちなきち
 

つわりがひどいなかで、さらに切迫流産と診断され涙を流す雪穂の姿には「私も同じ経験をした。泣いてばかりだった」と共感のコメントが多数寄せられました。

妊娠という体の変化に加え、つらいつわり、そして流産してしまうのではないかという不安ーーこういったことは人それぞれ感じ方が異なるため、意外と同じ女性であっても理解してもらうのが難しいように感じます。本来であればみんなで喜び、いたわりあうべき状況なのに……。

漫画のエピソードの1つではありますが、コメントでも実際に同じような体験をしたという方が本当に多く、つらい思いをする人を減らすためにできることはないのか、と、思わず考えてしまいました。

それでは続きをご覧ください。

漫画/ちなきち