「なるべく感情を使いたくない」映画やドラマを「倍速視聴」する大学生の本音

早送りする大学生たち 後編

大学生の中でも「分断」がある

2021年12月2日、筆者は青山学院大学の授業「多様化するメディア」(担当:久保田進彦教授)のゲスト講師として、「映像作品の倍速視聴・10秒飛ばし習慣」についてリモート講義を行い、受講した学生(2〜4年生)にアンケートを取った。

結果は、倍速視聴を「よくする」「ときどきする」が66.5%、「あまりしない」も含めれば87.6%。3人に2人が日常的に倍速視聴しており、9割近くが倍速視聴の経験者だった。10秒飛ばしはさらに多く、「よくする」「ときどきする」が75.8%。4人に3人が日常的に10秒飛ばしをしている。「あまりしない」も足せば91.4%、9割以上が10秒飛ばし経験者だった。

 

講義後に学生から届いたミニレポートには、倍速視聴・10秒飛ばし経験者と未経験者、あるいは肯定派と否定派の所感がずらりと並んだ。たとえば、以下はどちらかと言えば否定派の声だ(本記事中のコメントは、個人情報保護のため言い回しに多少の変更を加えている)。

こんなにも倍速視聴している人が多くて驚いた

「ニュースや講義を早送るのは理解できるが、映画やドラマを早送りする人がこんなにいるなんて信じられない

「セリフのないシーンから推測される言外の意味を感じながら鑑賞しているので、それをスキップする人がいることにショックを受けた

一方、肯定派の声。

「友達と『倍速以外じゃもう観られないよね』などと話しており、自分たちは時間をうまく使って観ているとしか考えていない

「現代では、自分を含めて動画や映画を倍速視聴・10秒飛ばししている人がほとんどだと思う

興味深いのが、「自分は倍速視聴をするが、他にもこんなに多くの人が倍速視聴をしているとは知らなかった」という趣旨のコメントが複数あったこと。彼らは「倍速視聴する自分」がマイノリティに属していると思い込んでいたのだろうか。あるいは、「本来やってはいけないことをやっている」という、ある種の後ろめたさがあるのだろうか。

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