サステナビリティを学び、体感できる国内外の旅の特集号(FRaU2021年12月号)第一弾でクローズアップした徳島県。徳島といえば、阿波おどり、鳴門の渦潮、すだちなどが有名ですが、徳島生まれの著名人もたくさんいます。
徳島の女性=「阿波女」は、伝統的に働き者で明るく、自立心旺盛といいます。そんな阿波女スピリットを胸に社会に貢献する徳島育ちの女性にクローズアップ。今回は、スタイリストの百々千晴さんをご紹介します。
百々千晴
海部郡海陽町宍喰生まれ。2002年に渡英し、2004年より東京をベースにスタイリストとして活動。雑誌、広告を中心にスタイリングを手がけ、ブランドディレクターとしても活躍中。著書に『THE DODO JEAN「ジーンズ3本でスタイルは決まる!」』(ワニブックス)。2020年夏から始めたYouTube『DODOTUBE』で精力的に発信している。
働く母の影響と再発見する地元のこと
大人気スタイリストの百々千晴さんは、高知との県境にある海部郡宍喰町(現海陽町宍喰)で生まれ育った。中学生のときにファッション誌でスタイリストという職業を知り、志すように。高校生のとき、宍喰にサーフィンに来ていた東京の出版社の編集者と知り合い、スタイリストのアシスタントになる道が開かれた。
「幸運だったと思います。実際にスタイリストになれるという保証なんてなかったけど、両親は反対もせずに送り出して、いつもサポートしてくれたので」

幼少期から田舎な地元が嫌いで早く出て自立したいと考えていた。母親のすごさに気づいたのは東京で働くようになってからだとか。
「両親ともに忙しく、とくに母親は、何時に子どもを迎えに行き、何時にお風呂に入れて、何時に寝かせる、というルーティンが完璧に決まっている人でした。私はその反動か、そこまで子育てを真面目にできてはいない気がするけれど、自分でお金を稼ぎたいと思ったのは両親の影響ですね」
2人の小学生の母親として東京で暮らす百々さん。住民票を移すことなく徳島の学校に通える「デュアルスクール制度」を利用して、夏休み明けの9~10月は、子どもを海陽町の小学校に通わせている。
「現在はコロナ禍でお休み中ですが、都心の暮らしだけでなく、自然豊かな場所も知ってもらいたいし、さまざまな家庭があるということも子どもながらに感じてほしいんです」