昨年末の12月18日、下記のツイートが話題になり、なんと25.3万もの「いいね」を集めた。

友達の結婚式の帰り百貨店ブラついてたら人が倒れて駆けつけると心肺停止だったので心マした。AED貼って救急車呼んでるうちに脈も呼吸も戻った。家族からは泣いて感謝された。その後どうなったかわからないけどやれることはやった。100人以上に見られながらパーティードレスで人命救助はさすがに初めて

(@dasmanchan 12月18日Twitterより)

SNS上で語られたエピソードに、多くの人たちがコメントを寄せた。
「まさにドラマのようなシーン」
「消防団でやっている救命講習を、我々一般人も会得して行く必要がありますね」
「学校や職場でAED講習をするようになれば救える命が増えますね。 私も昔習いましたが忘れてしまっているので復習し直します!」

この原稿は、ドレス姿であることも忘れて、迅速な行動に出た医師のとくみず めいさん自らに、そのときの状況を改めて、書き起こしたものだ。さらに、今回の経験から自身が感じた「救命救急の大切」を寄稿してもらった。

※以下より、とくみず めいさんの寄稿。

 

百貨店で、突然の悲鳴……!!

こんにちは、医師のとくみず めいと言います。

昨年の年末12月18日、プライベートで買い物をしていたときにたまたま心肺停止の患者に遭遇して救命するという体験をし、そのことをSNSに投稿したところ、多くの反響をいただきました。

心肺停止患者に対する救命措置は1分1秒を争いますが、いつどんな状況で誰が倒れるかは分かりません。だからこそ医療従事者だけでなく一般の方の協力が大切です。私の体験を共有することで、一人でも多くの人が救急救命に興味を持っていただけたらと思い、記事にしてみようと思いました。

その日は友人の結婚式があり、私はパーティードレスにハイヒール、耳や首元や手元にはアクセサリーという装いで参列しました。とても素敵な結婚式で、医師になって以来の友人の結婚ということもあり、感慨深く満喫しました。その後他の人と会う約束があり、隙間時間に一人で百貨店を散策することにしました。

エスカレーターに乗っていると、下の階から「ぎゃーー!!!」と叫び声が聞こえました。3階付近から吹き抜けの下を覗くと1階のエスカレーターのひとつが緊急停止しており、その真ん中に人が倒れていました。周囲には家族と思われる方が2人いらっしゃって、パニック状態で叫び続けていました。私はエスカレーターを駆け下りながら、近くにいる人に救急車とAEDを手配するようにお願いしました。

友人の結婚式の後に立ち寄った百貨店で出来事は起きた!(写真はイメージです)photo/iStock

近寄ると患者さんは明らかに意識がなく、呼吸もできているのかも怪しい状態でした。しかし、エスカレーターの上では救命処置が十分に行えないので、まずは患者さんを移動させることにしました。患者さんはしっかりとした体つきの方で、痩せ型の私一人で運ぶのは難しかったのですが、偶然居合わせた看護師さんが協力してくださいました。

平らなフロアに寝かせてもう一度呼吸と脈を確認すると心肺停止状態だったのですぐに胸骨圧迫(いわゆる心臓マッサージ)を開始しました。自分以外の医療従事者も十分にいない状態で大勢の人に見られ、普段とは違う状況下で私も緊張しましたが、いつも職場でやっていることを思い出しつつ平静を保ちながらやるべきことをやりました。