2022.01.03
# 経済・財政

「日本は借金で破綻する」は本当か? 財務官僚の大嘘を暴く

グロス債務だけ見るのは笑止千万

思い上がった財務省

10万円の給付や予算規模が107兆円と過去最大になったことなどが伝えられるたびに、「子供たちの将来につけ回される」などと懸念する論調がある。これは事実なのか? ファイナンス論や会計学からいえば、そもそも借金のみで考えること自体がおかしい。

ただし、この一般常識は世界には通用するが、財務省には無理だ。率直にいえば、財務省キャリアは東大法・経出身が圧倒的に多いが、ファイナンス論や会計学はそこであまり教えてくれない。ファイナンス論をきちんと学ぶには一定の数学知識が必要だが、日本の文系大学では少し荷が重い。会計学は必要基礎知識が少ないが、学問として実学とみなされ格が低いために、東大では重要視されていない。

Photo by GettyImagesPhoto by GettyImages
 

筆者はかつて不良債権問題で驚いたことがあった。不良債権は会計的にみると実質価値額が額面金額に満たないものといえ、不良債権額は額面金額から実質価値額を引いたものの「定義」できる。筆者は大蔵省内でそう説明したが、ほとんどの東大出身の大蔵官僚は理解できなかった。そこで、筆者が不良債権問題の実務をほとんど担当することになった。

そうした財務官僚が言いそうな「反論」は、国の財務状況は、会計的な財務諸表で分からないというものだ。その「証拠」として、「破綻」した自治体の財務諸表を挙げるかもしれない。おそらく、会計に無知なマスコミや学者はこれで騙される。

この「反論」がもしあれば、財務官僚の思い上がりというものだ。世界では、企業会計から派生した「公会計」もある。そこでは会計原理がよく機能している。財務官僚はもっと勉強すべきだ。

ファイナンス論から、債券の「破綻」確率は、そのCDS(クレジット・デフォルト・スワップ。一種の保険)レートで算出できる。保険理論において、保険料率と危険度に密接な関係があることと同じだ。そして、CDSレートとバランスシートのネット資産との間に密接な関係があることも実務では常識だ。

こうした常識があれば「国の財政状況は財務諸表でわからない」などと口が裂けても言えないはずだが、財務官僚はそうでない。

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