2022.07.29

「金正日がポメラニアンを贈ってきた」…北朝鮮庶民に“腐った資本主義の象徴”だった「ペット飼育」が爆発的人気になった特殊事情

郭 文完 プロフィール

マルチーズとポメラニアン

金正日は保守的な金日成と違ってペット好きだったようだ。

金正日は1980年代末頃から自身に随行していた側近らにペット犬をプレゼントしていた。 その1人に外務省第1次官を務めた姜錫柱(カン・ソクチュ)外務次官がいる。

金正日 photo/gettyimages
 

姜錫柱は、1990年2月16日の金正日に誕生日にマルチーズとポメラニオンを贈られた。

しかし、ペットの飼育に関して初歩的な知識すらなかった姜錫柱夫妻は、2匹のペットが家中に撒き散らす便に閉口したという。

姜錫柱夫人は動物嫌いで、植物が好きだった。家の中で草花を育てていたが、2匹の犬がその草花を食いちぎったという。

排便管理を誤ったため、ドアを開けると小便の臭いがしたし、姜錫柱が着る毛織の洋服にはいつも犬の毛がついていた。犬の飼育は手に負えないほど難しいが、そうかといって金正日から贈られたペット犬を捨てるわけにはいかなかった。

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