型破りなプリンセス
ウェディングブーケは、丸いドーム型のラウンドブーケ、ラウンドよりふっくらした楕円型のオーバルブーケ、英語で「小さな滝」を意味するキャスケードブーケ、英語で「しっかりつかむ」という意味のクラッチブーケなどがあります。
こうした定番のスタイルとは異なる個性的なブーケでひときわ目を惹いたのは、2001年8月25日、ノルウェーの皇太子妃となったメッテ=マリットです。
皇太子の曾祖母にあたる、ノルウェー国王ホーコン7世の王妃モードからインスピレーションを得たウェディングドレスは、ノルウェー人デザイナーのオヴェ・ハーダー・フィンスフによるデザイン。シルククレープの生地をオーダメイドでエクリュカラーに染め上げ、トレーンは約2メートル、ベールは約6メートルもの長さがありました。

パープル&ホワイトの個性的なロングガーランドブーケはノルウェーのオスロで活動するフローラルディレクター、アイナ・ナイベルゲット・クレペが手がけたもの。アーティスティックなブーケは、シンブルなドレスにマッチしています。
メッテ=マリット皇太子妃は、シングルマザーとして長男のマリウスを出産。その後、猛勉強をしてノルウェー最難関のオスロ大学へ入学したのをひとつのきっかけに、ホーコン皇太子と出会いました。型破りなプリンセスかもしれませんが、昨年、結婚20周年を迎えました。

王位継承権はホーコン皇太子に次いで、夫妻の第一子であるイングリッド・アレクサンドラ王女が第2位。第二子のスヴェレ・マグヌス王子が続いています。マリウスは夫妻の結婚式でページボーイを務め、王室に養子として迎えられましたが、王位継承権はありません。20歳のときにノルウェー王室の公務には参加しないと決断したので、現在は公人ではないものの、注目されがちな存在であることは間違いないようです。


雅子さまが朝見の儀やパレードでお召しになったドレスは、ヨーロッパのロイヤルウェディングとは一線を画しているものの、伝統的なスタイルを受け継いだり、自分のルーツを取り入れたりしながら、新しいものと古いものを交差させるという点は共通しているようです。念入りに準備された白いドレスに身を包み、新しい人生の第一歩を踏み出すプリンセスたちの深い愛情と勇気に、わたしたちは魅了されるのではないでしょうか。