2022.01.10
# 日本株

バフェット流「投資すべき会社」の見分け方…「ラストワンマイルを乗り切る力」に注目

大原 浩 プロフィール

どちらも忍耐強く待つ

沼田氏の「マザーズ市場の上場承認:Recovery International株式会社」に同社の上場承認までの過程でどのように関わってきたのかが詳しく述べられているが、キーワードは「忍耐」である。

バフェットが5年、10年にわたって投資先の株式を保有することは有名だ。彼は「株式市場が1年間閉鎖されても平気でいられる企業にしか投資しない」と述べるが、アーリー・ステージ(ベンチャー企業が立ち上がったばかりの初期)への投資を中心とする沼田氏も同じように長期間忍耐強く待たなければならない。そもそもベンチャー企業の株式を(上場)株式市場で売ることはできない(M&Aの形での売却はできる)から、必然的に上場までの長期保有となるのだ。

さらに、バフェットの理想は永遠に売却する必要がない「永久保有銘柄」を見つけることだが、沼田氏の目指すのも同じ方向だ。バフェットはよく投資を結婚に例える。投資をするときには「死が2人を分かつまで」と誓えるくらいの慎重さなのだ。

バフェットの場合は「重要な決断」をする前に、「経営者の人物」を含めたその企業のありとあらゆることを研究した上で「迷いが無くなった」段階で投資する。沼田氏の場合は、アーリー・ステージの企業が中心だから、会社の財産といえば、起業家の「夢と情熱」くらいしかない場合が多い。したがって、「経営者の人物」の見極めがもっとも重要だ。

 

沼田氏はよく「ラストワンマイル」という言葉を使うが、この「ラストワンマイル」のもっとも暗くて深い谷を乗り切れるかどうかが起業の成否を決める。

「ラストワンマイル」を乗り切れない経営者は、途中まで調子よくても結局駄目になる。だから最初から投資対象ではない。しかし、この「ラストワンマイル」を乗り切ることができると見極めた起業家には、ありとあらゆる支援を惜しまない。ただし、「ラストワンマイル」を乗り切る力だけは、本人の資質であり外部からの支援が出来ないのだ。

「経営者」の人物を見抜く方法については、沼田氏の「IPOと『盛りのついた優秀な雄猿』」が参考になる。

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