2022.01.10
# 日本株

バフェット流「投資すべき会社」の見分け方…「ラストワンマイルを乗り切る力」に注目

大原 浩 プロフィール

「ラストワンマイル」を一緒に乗り切れるか?

バフェットはM&Aの際に、会計士などの専門家を使ったいわゆるデューデリジェンス(財務内容の精査)を行わないことで有名だ。過去何年間分かの決算資料を郵便またはFAXで送付すると数週間くらいで電話がかかってくる。そして、「お会いしましょう」となったら、そこでほぼ買収が決まりだ(売却条件を事前に提示してもらうのもバフェットのやり方である)。

5分ほど面談した後、握手をして取引が成立する。もちろん、実際には5分の面談だけで経営者の人物を判断するのではない。幅広い業種のほとんどをカバーしているバークシャー傘下の経家者たちから、買収予定企業の経営者の評判を聞いて事前に確かめているのだ。

さらに、税金対策の側面もあるのだが、100%すべての株式を取得するのではなく、80%だけを取得し、20%は既存の経営陣(オーナー)に保有してもらう場合が多い。

このことにより、まず「売り逃げ」を防ぐことができる。

もし、既存の経営者が退陣し保有株式も100%売却してしまえば、「後は野となれ山となれ」ということになりかねない。決算書の内容の信憑性も疑ってかかる必要があるから、多額の費用と労力をかけたデューデリジェンスも必要になる。しかし、バフェットの場合は、デューデリジェンスではなく、業界内の評判や同業者の見立てを重要視する。

20%の株式を保有し、そのまま経営を続けるのであればそもそも「売り逃げ」のしようがないということなのである。

しかも、株式を保有した既存の経営陣は「ラストワンマイル」を乗り切って(バフェットの場合はいわゆる再生案件は基本的に扱わないので、健全な企業が買収対象)現在の繁栄をつかんだ人々だから、「頼もしい味方」であるとともに「会社の品質保証書」ともいえる。

 

アーリー・ステージ企業の場合は、起業家自身が会社の唯一の財産兼品質保証書ともいえる。また、彼らが大量の自社株を保有しているのも普通だ。

したって、起業家が「ラストワンマイル」を乗り切れるかどうかは、起業の成否を決める最も重要なポイントであり、最大の関心事であるのだ。

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