2022.01.13
# ドイツ

「僕はベビーシッターを雇ったわけじゃない」私がドイツ人の夫からそう言われた理由

結婚した女性は主婦として家庭を守るのが当然――そんな考え方は、日本でもすでに過去のものになっている。それでもまだ、女性が多くの家事を担い、いわゆる「良妻賢母」が理想であるかのような考え方も根強く残っている。

だが、結婚を機にドイツに移住し、現地で20年以上生活したライフアドバイザーで『ドイツ人はなぜ「自己肯定感」が高いのか』の著者でもあるキューリング恵美子氏によれば、ドイツ人女性は必ず夫と家事を分担し、むしろ夫よりも立場が強い「猛妻(もうさい)」のイメージがあるという。逆に、日本的な「良妻賢母」を目指そうとしていたキューリング氏は、夫婦の関係を重視する夫にたしなめられることになった。

そこから見えてきたのは、ドイツ人の夫婦が「自分軸」を持ってお互いに接している一方で、日本人の夫婦は「良い夫」「良い妻」でありたいという思いが強すぎるあまり、「自分の人生を生きる」という基本を見失いかけているのではないかという疑問だった。

「良い妻」「良い夫」にならない

ドイツ人の夫と結婚をして25年になります。そのうちの15年以上も、私自身が全然気づいていなかったことがあります。

私たちは日本で結婚し、その後ドイツ(ドイツ南部のミュンヘン近郊)に移住しました。夫はドイツ(ベルリンよりも北部の田舎)生まれで、ドイツ育ちのドイツ人です。私は日本(埼玉)生まれ、日本育ちの日本人です。

生まれ育った国も文化も違う夫婦なので、当然、考え方も習慣も異なります。普通に考えれば、ドイツへ移住したのだから、私がドイツ的な考え方で生活していくことが自然な成り行きだったのかもしれません。

 

しかし、私はそうしませんでした。私は、結婚し移住しても、昔の日本的な「妻のあるべき姿」に疑問を感じることもなく、むしろ「日本の奥ゆかしく気遣いのできる妻」(いわゆる「良妻賢母」)に憧れ、自分もそうありたいと願っていました。

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奥さんはあまり夫に強く主張せず、何か言われる前に気づき、家事や子育てをこなし、夫婦共働きでも「女は家庭が第一」とする考え方です。

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