東京で寮生活をしながら仕事とレッスンを

初めて『CanCam』に載った時は、家族全員が大喜びしていましたね。それはもうすごい褒めようで、「おねえちゃん、キレイやなあ! めっちゃキレイ! モデルさんやあ!」と大盛り上がり。ただ私自身は周りが凄すぎて自信が持てなかったのか、その言葉を素直に受け止められなくて。もともとが恥ずかしがり屋で、「笑って」と言われて笑うのが苦手だったこともあり、「こんな感じで大丈夫かな?」と思っていました。

カメラに素敵な笑顔や可愛いポーズをとっている先輩他のモデルさんたちを見ては、「みんなカワイイなあ、キレイだなあ。私も頑張らなきゃ!」と刺激を受け、先輩たちのポージングを切り抜きにしてノートに貼って勉強していました。

 

そのころ私が所属していたのは音楽事務所。将来は歌手になることを夢見ながら、ボイストレーニング、ドラム、ギター、ピアノ、ダンス・演技のレッスンを受けていました。あとは体づくりの筋トレですね。そして東京での滞在先は、事務所の先輩が住んでいる寮。部屋のリビングに寝かせていただいていたんです。

2週間ごとに地元の滋賀と東京を行き来しながら『CanCam』の撮影をし、撮影がない時はそのまま東京に滞在してレッスンするというローテーション。以前連載でもお伝えした、私の恩師であるボイトレの先生に出会ったのもその頃です。

結局『CanCam』には、8年間という長きに渡ってお世話になりました。今でも(西山)茉希とは忘年会で会ったり、(近藤)しづかとも頻繁に会っています。仕事なんだけど学校にいるような、本当に楽しい8年間でした。

2021年10月30日、新宿御苑で開催された「アップサイクルマルシェ「Under the tree」にボランティアで参加した高橋メアリージュンさん。CanCamのときからのモデル仲間で、最初にこのイベントのことを教えてくれた近藤しづかさんと大の仲良し! 撮影/杉山和行

◇モデルとして芸能界に入ったメアリージュンさんが、どのように女優の道を歩むようになったのか。後編「高橋メアリージュンが語る人生を変えた「朝ドラ」オーディション、そして今後」で詳しくお伝えする。

構成・文/上田恵子