ところが、期待の子どもたちは幼虫が産み付けられた「団子」をひとつも見つけられませんでした。フンコロガシの“育児室”は地下に隠されており、発見が困難だったのです。
ファーブルはそれでも諦めず、執念で研究を続けました。
のちにファーブルは長年の経験から、フンコロガシの“育児室”を比較的自由に掘り当てられるようになります。また、彼らのエサとなる糞もかなり自由に調達できる環境を手に入れました。キャラメル1個で糞を集めてくれる子どもを見つけたからだそうです。しかし、それは彼がフンコロガシの研究を始めて、なんと40年近くも後のことでした。