2022.01.12
# 中国
中国・習近平「洗脳のための文書」をすべて読んだらわかった、その「強さ」と「弱さ」
2021年11月、中国共産党が重要会議で、「歴史的決議」をした。やがて3期目を迎える習近平政権の行方をうらなう重要な決議だが、前編記事『中国・習近平、なぜか「北京のホテル」で“異例の決議”をした「本当の狙い」』では、今回の歴史的決議は、習近平が、毛沢東、トウ小平と並ぶ指導者だ、と立派なところを見せびらかすための決議であるということを紹介した。さらにその決議の全文を細かく見ていくと、さらなる習近平の狙いを浮かびあがってくる――。

毛沢東、トウ小平、江沢民、胡錦濤…
まず、歴代の指導者をどう表現しているか。
毛沢東は、「以毛沢東同志為主要代表的中国共産党人」(毛沢東同志を主な代表とする中国共産党の人びと)という言い方だ。トウ小平、江沢民、胡錦濤、習近平も、人間の名前が入れ替わるだけで、まったく同じ表現になっている。
では、5人は同列なのか。
そうとは言えない。
江沢民、胡錦濤は1回出てくるだけ。いっぽう習近平は、決議のなかに、とにかく何回も名前が出てくる。