南シナ海で「海洋権益拡大」狙う中国の無法…台風被害に乗じて新法施行か

2022年もこの海域の波は高い

中国の出方に注目

2021年12月にフィリピンのセブ島、マクタン島、ボボール島などを襲ったスーパー台風「オデット=台風22号」は死者約400人、負傷者約1200人、いまだに80人以上が行方不明で、被災者は約50万人に達するという甚大な被害を出した。

同時に、台風がフィリピンを抜けて通過した南シナ海にある、フィリピンやベトナムが領有権を主張して実効支配を続けていた島々にも大きな被害をもたらした。いずれの島に対しても中国はその領有権をかねてから主張しており、今後の中国の出方が注目されている。

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中国は自らの海洋権益が及ぶと一方的に主張する根拠としている「九段線」に基づき、南シナ海の大半の海域、点在する島々、環礁などの領有権を盾に、フィリピンやベトナム、ブルネイ、マレーシア、台湾などと対立を続けている。

2021年12月には自国権益が及ぶとする海域で外国漁船が無許可で操業することを禁止し、罰金を科す法律を一方的に成立させ、違反外国漁船の取り締まり、摘発を強化する方針を示すなど、南シナ海での攻勢を強めている。

こうした中、インドネシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟関係国に呼びかけ、中国に対してASEANとして統一行動をとることを模索、中国の一方的な攻勢への対抗措置を検討する方針を明らかにしている。

 

同海域では「自由で開かれたインド太平洋」を掲げた日米豪印による海軍艦艇などによる共同演習の活発化、海軍艦艇や軍用機による「自由な航行と飛行」、さらに米英豪による新たな安全保障の枠組み「AUKUS」の創設などにより、米中のつば競り合いの構図が浮き彫りとなっている。

このため2022年も依然として南シナ海では緊張状態が継続され、中国の出方次第では状況がこれまでにも増して激化することが予想される事態に直面している。

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