「君は偏差値が高くない大学だから…」高学歴モラハラ夫に追い詰められた40代妻の悲痛な叫び
私が運営する夫婦仲相談所には、浮気・姑問題・セックスレス問題と様々な相談が寄せられます。ここ数年「決定的な夫婦喧嘩にはならないが、毎日胸が苦しい」という漠然とした気持ちを吐き出す女性が増えたように感じます。
何が苦しいのか、辛さを感じた時期から時系列に話を聞いていると「夫の心無い言動」の積み重ねに麻痺しそうになっているという心中が浮かび上がります。
モラルハラスメントという言葉がメディアで認知されてから「うちの夫がモラハラで」と妻側からその言葉が出て来ることもめずらしくない昨今。モラハラと気づかず長年耐え忍ぶ女性も存在します。さて、モラハラと愛情表現の境界線はどこにある?
本や新聞の文章を音読し、妻の行動を強要する夫
貴恵さん(仮名44歳)は一回り年上の夫と中学生の子供と3人暮らし。夫は3年前に金融関係の会社を辞めて、友人と2人で輸入の会社を立ち上げ自宅を事務所にしています。投資もうまくいっているので、生活は裕福な方です。貴恵さんは倉庫会社の事務のバイトに出ています。
夫との間に嫌な空気を感じるようになったのは、夫が退職、起業した時期です。貴恵さんは17時半には帰宅します。そのあと、夫が貴恵さんの家事の仕方や態度にくどくど文句をつけるようになりまた。
「買い物で、野菜を買いすぎるから腐らせることが多い、損失金額は1年でいくらになるか計算してみろ」
「君のキッチンでの動きを見ていると動線が乱れていて、合理的じゃない。正しく動けば食事作り時間が短縮できるから考えてみて」

インテリア好きの貴恵さんが買った床置き照明を見て、
「ネットのSALEに踊らされていらないものを買ってるな。SALEのときにパソコンを開くな」
など、特に語気を強めた言い方ではないのですが、貴恵さんは嫌な気分になっていました。すべてが貴恵さんのための言葉がけなのだから、ごもっとも、と思い込んだので、最初は反論することはなかったと。