弱にはいろんな可能性があるが、強はもう出来上がって固くなってる状態とも考えることができる。
たしかに20は弱で40は強だ。
「弱」はズラせない
20は弱冠。40は強仕。
もとは、10年ごとの通過ゲートの名前みたいなものだった。
広く読まれるようになって、それぞれの二文字が年齢の異称になった。
幼学は10歳のこと、弱冠は20歳、壮室30歳、強仕40歳、服50歳のことを表している。
10歳前後や20歳前後ではない。
ぴったり10が幼学、ぴったり20が弱冠である。
だから「弱冠」を年齢に紐付けするなら本来は「20歳のこと」しか表せない。
礼記の原典そのものが「冠」を20歳と限定してないのなら幅広く使っていいだろう、という解釈は、残念ながら論点がずれている。
20歳に固定されていないのは「冠」のほうである。冠するのは20歳でなくてもいい。
でも「弱」はズラせない。
「20歳のことを弱という」と明確に規定されているのだから、弱はジャスト20歳だけの呼び名である。
それ以外の年齢にあてはめられない。
だから「弱冠19歳」とは厳密には「20歳にして19歳」と言っていることになる。
「20歳にして19歳」で橋本大輝選手は金メダルを獲った。
そんな日本語はない。どこからどう見ても変である。それが「ジャッカン19歳」という言葉の本来の意味である。
でもみんな「ジャッカン」という音が好きなのだろう。それはわかる。「わずか19」ではなく「ジャッカン19」というと、なんか調子がいいというのもわかる。間違っているとおもうが、みんなで間違うなら、べつだん強くとめることはできない。
となると、「弱冠」という表記でなくていいんじゃないか。