衝撃の結末…!17年間逃亡を続けた猟奇殺人犯がコロナ禍に劇的逮捕された「全真相」

現代ビジネス編集部

押し寄せる余波

平成26年6月12日、久しぶりにマリコさんの父親から電話があった。

父親が言うには、マリコさんは大学に通い元気に生活しているという。

一通りの前置きをして、「実は、マリコが、警視庁の捜査二課にワールドカップの詐欺事件で逮捕されました」と告げられた。

私は、椅子から転げ落ちるほどびっくりしてしまい、「えーっ」と言ったまま次の言葉が出なかった。

それを察知してか、父親は、「知らなかったの?」と続けていたが、私は何も答えられなかった。

私の頭の中は、「なんだよ。なぜ、捜査二課は教えてくれなかったんだ」「両親が苦労して南アフリカから連れ戻したのに」「松井が指示した詐欺だから、任意捜査でもよくないか」「捜査二課でも、松井の身柄引渡し要請に挑戦してくれよ」などの言葉が駆け巡っていた。

事件はさらに意外な展開を見せる。

平成28年5月16日、久しぶりにヒロキから電話があった。それまでも、折に触れて連絡を取り合い、お互いの信頼関係を継続していたが、この電話のヒロキは、やけにはしゃいでいた。

「お疲れさまです。まだニュースになっていないけど、オレ詐欺の連中に、組から招集がかかり、昨日朝方、コンビニのATMでスキミングしたカードを使って大金を引き出していますよ」

私は、ヒロキが言っている意味が分からず、「そんなこと、できるのかよ」と答えていた。

 

すると、5月22日朝刊で、報道各社が紙面を大きく割いて報じた。

「全国17都府県のコンビニATMで15日午前5時過ぎから8時前の約2時間半の間に偽造クレジットカードによる大量の不正引き出しが発生した。引き出された総額は約14億4000万円に上るという」「ATM約1400台で、南アのスタンダード銀行が発行したクレジットカード約1600枚分の情報が計約1万4000回使われ、総額約14億4000万円が引き出された」「警察当局は背後に国際犯罪組織が関与しているとみて捜査を進める」
などと書かれている。

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