「正月に太った」すべての人に医師が伝えたい「ダイエットの事実」

原理原則はたった1つ
世良 泰 プロフィール

1つの原因として運動不足は良く知られていると思います。多くの人が仕事や家事に追われて運動しなくなったから太ったと感じ、ダイエットのためにジョギングを始めたら膝が痛くなり断念した、という話はよく耳にするのではないでしょうか。

確かに運動不足による影響もあると思いますが、運動によって消費されるカロリーはそれほど多くありません。太ってしまう要因は1つではなく、複数の要因が重なりあって起きています。運動不足はあくまでその中の1つなのです。

日本人の筋肉量を調べた研究では、加齢によって徐々に筋肉量が減少していくことが分かっています(2)。

図1 18-24歳の筋肉量を基準とした年齢による筋肉量の変化※註釈(2)より作成
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もちろん運動不足による消費カロリーの減少もありますが、実は加齢によって筋肉量が減少すると、それによって基礎代謝量も減少してしまっている、というケースもあります。

基礎代謝量は運動などの身体活動をしなくても消費されるエネルギーのことですので、基礎代謝量が減少することで総合的な消費カロリーも減少してしまいます。

 

また、運動や筋肉量の減少による消費カロリーの減少だけでなく、身体に入ってくる摂取カロリーの増大も当然、原因の1つとなります。

お菓子や清涼飲料水、アルコール飲料をよく飲み食いしたり、忙しいためコンビニや外食が増えたりすると、結果的に総摂取カロリーが増加します。年末年始はみんなで食事を楽しんだり、ケーキやお菓子などお祝いのものを食べたりすることで特に摂取カロリーが増える時期です。

このように太ってしまう要因は1つだけではないため、気にしていないと徐々に太ってしまいますし、〇〇だけダイエットのような、たった1つの方法で痩せる方法に依存するよりもしっかり原理原則を知る必要があります。

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