「AED」の操作は想像するよりも実は簡単
【4. 呼吸の確認】
腹や胸が上下しているかを見ます。そして呼吸していない、変な呼吸である、10秒以内にわからない、の3つのケースのいずれかに当てはまった場合は呼吸していないと判断して胸骨圧迫を開始して大丈夫です。
以下は発展的で複雑な内容なので読み飛ばしても大丈夫ですが、人工呼吸については、通常はしなくてもいいのですが、人手があってやれそうなときはトライしてみてもいいです。人工呼吸2回に対して胸骨圧迫30回の割合で行います。
手順は次の通りです。
1) 頭部を後ろに曲げて顎先をあげ、気道を確保します。
2) 親指と人差指で鼻をつまみ、口を大きく開けて患者さんの口をすべて塞ぎます。
3) 目は患者さんの胸を見ながら胸が上がるぐらいの空気を入れます。入れ終わったら口を離して患者さんが吐く息を頬で感じます。これを2回繰り返します。
※子どもの場合は胸骨圧迫15:人工呼吸2程度の割合が理想です。
ちなみにうまく空気が入らないときは気道確保がうまくいってない場合と、気道内に異物があるケースがあります。
【5. 胸骨圧迫(心臓マッサージ)】
いわゆる、心臓マッサージがこれにあたります。
胸の真ん中を5cm以上沈み込むように押してから完全に力を抜いて戻すのを繰り返します。リズムは「アンパンマンのマーチ」です。脳内で歌いながらやりましょう。
手は片手の甲にもう一つの手を重ねて腕を伸ばして体全体を使ってやるとバテにくいですが、とにかく絶え間ない胸骨圧迫をし続けることが何よりも大事なので、周りの人に協力してもらいながらやるといいでしょう。
また冒頭でも書いたように背部は硬い床であることも大事です。胸骨圧迫だけで意識が戻ることもあるので、患者さんの声や動きが出ていないか状態もチェックしましょう。

【6. AEDの使用】
AEDは開けると電源が入って喋り始めるのでその指示に従って操作してください。
電気ショックが必要かどうかはAEDが判断してくれるのですが、実際使ってみた感想としては人が多いときは周りの人の声にかき消されて聞こえにくいことがあります。周りの人は静かにするよう伝えたら静かにしていただけるのですが、患者さんの家族の方がパニックになっているケースもあります。ご家族の心境を考えると「静かに」とだけ告げるのも気がひける一方で、処置に集中しなければならないため、救助者として板挟みでした。人が多いときは誰かがつきっきりで家族さんの話を聞いてあげてほしいなと思いました。