2022.01.17
# 事件

人間の骨を「黒焼き」に加工し、“薬”として町内で売り歩いた「常習犯」の正体

「人骨黒焼きセールスマン」の素顔

今から40年ほど前のこと。岡山県の田舎町で一人の老人が警察に逮捕された。容疑は「薬事法違反」。

こう書くと「なんだ、大した事件ではないじゃないか」と鼻で笑う人もいるかもしれない。

しかし、事件は当時の東京のテレビ番組でも大々的に報じられ、大騒ぎとなった。

その一報を聞いた人は、その老人が薬と称して売っていた、ある「もの」の異質さと異様さに、顔が青ざめ、中には吐き気をもよおした人もいたという。

その老人は、なんと人間の骨を黒焼きに加工して、大量に売りさばいていたのだ…。

ただの「薬事法違反」かと思いきや…

昭和56年(1981)春、一人の老人が岡山県の山間の小さな町で警察に逮捕された。容疑は単なる薬事法違反。薬と偽って、あるものを売って捕まったのだ。

たいしたことではない。にもかかわらず一時、この事件は、その内容ゆえに世間を大きくかき乱した。

黒神逮捕を報じた当時の新聞記事(筆者提供)
 

当時の東京の人気テレビ番組「テレビ三面記事 ウィークエンダー」(「新聞によりますと…」のフレーズが有名な、芸能レポーターが話題の事件を面白おかしく料理する番組)が、この事件のことを大きく取り上げたのである。

その結果、山間の小さな田舎町に、テレビカメラが何台も殺到し、大騒動となった。

多くの住民は、この騒動を「大いなる郷土の恥」と考えた。だから、その後住民たちはこの事件のことを努めて話題にしなくなった。やがて、現代史の狭間に埋もれて、誰も見向きもしなくなった。今では地元の若い人は、事件があったことすら知らなかったりする。

問題は老人、黒神信二(仮名、当時72歳)が自ら製造し、“売りさばいていたもの”にあった。薬事法違反に問われた、肝心のものとは、なんと“人骨の黒焼き”だった。

黒神は、人骨の黒焼きをこの田舎町で製造し、それを黒のアタッシュケースに入れて、付近で大量に売りさばいていたのだ。

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