2022.01.14
# 中国

逆らえば消される…いま中国で起こっている「洗脳」と「監視」のすべて

北京冬季オリンピックを前にして…
週刊現代 プロフィール

「中国のネットでは、使ってはいけないキーワードが決まっているとされます。その中には習近平国家主席をはじめとする最高指導部のメンバーの名前が含まれる。ところが、張高麗前副首相の名が微博に書き込まれ、それが30分も消されずにいた。

本当に彭帥さん個人の告発なのか、背後に政治的な権力闘争があったのではないかと疑う声も上がっています」

プロテニスプレーヤーの彭帥選手(Photo by gettyimages)プロテニスプレーヤーの彭帥選手(Photo by gettyimages)
 

中国国営メディアの元幹部がこう補足する。

「張高麗前副首相はもともと江沢民元国家主席とその側近に取り立てられた、石油利権を握る実力者でした。一方で、江沢民派と対立する習近平にも取り入り、最高幹部にまで上り詰めた。

今回のスキャンダルは習近平が張高麗から石油利権を奪うためのものだったのか、それとも江沢民派が習近平に取り込まれた張高麗の失脚を狙ったものなのか。いずれにせよ、微博の検閲システムを一時的に止めた黒幕が明らかにならないと真相はわかりません」

政権トップが権力闘争を繰り広げる一方、庶民の間では格差が広がり、社会問題となっている。

「がんばって働けば家や車が買えるという『チャイニーズ・ドリーム』が遠ざかり、がんばっても格差は跳ね返しようがないという諦めムードが若者に広がっています。

若者のやる気をそぐのは、不動産価格の異常な高騰です。政府が沈静化させるために不動産の融資の蛇口を締めたら、今度は不動産大手、恒大集団のデフォルト危機が到来しました。バブルを崩壊させるわけにもいかないし、これ以上、膨張させるわけにもいかない。中国経済は非常に困難な状態に陥っています」(日本国際問題研究所客員研究員の津上俊哉氏)

社会の不満は明らかに高まっているが、それを押さえつけるかのように当局による思想的弾圧は強まっている。

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