2022.01.15

生活保護の増加が止まらない…そのウラにメディアが報じない「新たな貧困層」

高齢者でも、母子家庭でもない
鷲尾 香一 プロフィール

これは、新型コロナの影響が現れる以前から続いているものだが、その要因は高齢者世帯の生活保護受給にある。

生活保護といえば母子家庭の代名詞だった時代は、すでに遠い過去のもの。今は、生活保護は高齢世帯の代名詞だ。生活保護受給世帯の半数以上(21年10月時点で55.5%)は、65歳以上の高齢者世帯となっている。

高齢者の貧困については、21年5月19日の『「70歳定年」のウラで、じつは日本中で「貧しい高齢者」がめちゃ増えていた…!』でも取り上げた。

当たり前のことだが、2人の高齢者世帯はやがて単身世帯になる。高齢者受給世帯のうち51.2%(21年10月)は単身世帯となっており、これが受給人数の減少にも関わらず、受給世帯数が増加している主な要因だ。

しかし、新型コロナ感染拡大により、この受給世帯類型に変化が出ている。世帯類型は、65歳以上の高齢者世帯、母子世帯のほか、障害者世帯、傷病者世帯に分類され、このいずれにも該当しない世帯を「その他世帯」としている。

 

「その他世帯」とは誰なのか

このうち、20年3月を底に、障害者世帯とその他世帯の受給件数が増加の一途を辿っているのだ。

新型コロナ禍での障害者雇用への打撃については、21年6月30日の『メディアは報じない…「障害者雇用」が新型コロナで深刻な打撃を受けている』でも取り上げている。

障害者世帯の受給は20年3月の20万3451世帯から21年10月には3.5%も増加し、21万615世帯に、その他世帯は、20年3月の24万1161世帯から21年10月には3.3%増加し、24万9186世帯となっている。(表2)

表2

同期間(20年3月から21年10月)の高齢者世帯は0.1%増加、母子家庭は7.6%減少、傷病者家庭は2.3%減少している。

これは新型コロナ禍による雇用や所得の悪化で、生活保護受給世帯が、高齢者でもなく、障害者や傷病者でもなく、母子家庭でもない、普通の家庭にまで拡大していることを示しているのではないだろうか。

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