岸田政権の残念な「オミクロン対応と経済政策」で、また日本がデフレ脱却に失敗しそうなワケ

村上 尚己 プロフィール

また、2021年の日本の経済成長を抑えた医療体制逼迫に関して、これを回避する十分な対応ができていない可能性がある。外国での先例からすれば、オミクロン株の感染者は、昨年半ばのデルタ株感染者拡大時よりも大きく増える可能性が高い。感染者が増えても弱毒化したと見られる変異株に応じた適切な対応が行われればいいが、今後もコロナは2類感染症として原則対応されるのだから、感染者数が増えれば病床使用率も上昇するだろう。

 

岸田政権は、病床確保のための「見える化」のシステム整備を行っているが、病院間の情報共有が進んでいない事例がみられる。また、病床と医療人材の双方を増やすインセンティブを高める充分な予算措置、そして医療機関へのガバナンスを効かせる法的措置が行われていない、と筆者は認識している。実際に、岸田政権は病床確保強化のための感染症法改正案について国会への提出を見送る。夏場の参議院選挙を控えて、リソースを選挙に回すために危機に備えた対応強化を控えたのだろうか。

また、諸外国ではブースターワクチンの接種が相当に進んでいるが、日本でのブースター摂取率は1月7日時点で75万人と、諸外国対比で圧倒的に低い。オミクロン変異株の重症化を防ぐためにワクチン接種は必要だろうが、ブースター接種の遅れも、事態が流動的に動く中で日本の保健行政が依然として十分機能してない可能性を示している。

2021年同様に米欧対比で少ない感染拡大であっても病床使用率が上昇すれば、再び経済活動自粛が強要される。日本は、ゼロコロナを目指して厳しい経済統制が行われる中国とは異なるが、強い同調圧力によって似たような経済停滞が起きてしまう。デフレ克服の機会を、2022年も再度逸することになるのだろうか。

本稿で示された内容や意見は筆者個人個人に属するもので、所属する機関の見解を示すものではありません。

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