「大減税」公約で大勝した維新が、とつぜん「国民イジメ」に転換した理由

政調会長「暴走」の背景は何か

「やっぱり資産課税を始めろ!」

「日本維新の会」国会議員団の政調会長・足立康史衆院議員の発言が波紋を広げている。

維新は、先の衆院選挙で「大減税」を公約の一番に掲げ、大躍進。議席を11から41へと大きく伸ばした。維新のサイトにも「増税」(停滞)VS「減税」(維新)と大きく打ち、「減税と規制改革、日本をダイナミックに飛躍させる成長戦略。」を「2021維新八策」として前面に出した。

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選挙後、足立康史衆院議員は、『総選挙前ドタバタの中で落とした資産課税について、本当に党として「捨てる」ということでいいのか事後検証したかった次第です』(1月4日付Twitter)と、堂々の増税議論の開始を宣言、維新内部にも衝撃が走った。

足立氏のいう「資産課税」とは何か。

維新が昨年一度公表して撤回した日本大改革プラン当初案によると、日本にあるすべての資産(家計・非金融法人・政府資産)合計約3600兆円に1%の課税をするものである。維新の試算によれば、36兆円の増税となる。日本政府の2020年度の税収が106兆6580億円であることから、全税収の3分の1を上回る規模の増税だ。例えば、定期預金(スーパー定期・1か月・三井住友銀行の金利が0.002%)をしていくだけで、預金残高は毎年0.998%減っていくことになる。ネット上では「貯金税」として酷評されている。

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