合体! ガニコウモルとハサミジャガー
ガニコウモルは、ショッカーがゲルダム団と合体して生まれた組織、ゲルショッカーの第1号怪人です。だからというわけではないでしょうが、怪人もカニとコウモリが合体した姿です。
ゲルショッカーはサソリトカゲスやイノカブトンなどの合体怪人で、仮面ライダー1号・2号に戦いを挑んでいきました。
今までの1つの生物をモチーフとした怪人とは違って、「合体」という、ダイレクトに改造の概念が伝わる違和感は、左右非対称のデザインとあいまって、怪人にさらなる不気味さを与えていました。


さらに『仮面ライダーV3』に登場する敵組織、デストロンが前半で生み出していたのが、ジャガーの両手がはさみになったハサミジャガーなど、道具と動物の合体した怪人たちです。
大幹部ドクトルG(ゲー)に指揮されるなどして、コンビで戦うことも多かったデストロン怪人は、新たにメカの魅力を得て、さらにその強さをアピールできるようになりました。
メカ要素を鎧のように着込む怪人(タイホウバッファローなど)や、手や頭にメカを装着した怪人(ピッケルシャークやテレビバエなど)、体全体がメカとなった怪人(ガマボイラーなど)等、メカの活かし方もさまざまで、独自のキャラをたてることに成功していました。
神と悪人!? ネプチューンとガマゴエモン
『仮面ライダーX』の敵組織、GOD秘密機関の怪人は前期と後期で別のコンセプトを持っています。
まず前期はネプチューンなど、古代ギリシア神話の神々をモチーフとした怪人たちです。
『仮面ライダー』の原作者である石ノ森章太郎先生の代表作の一つである『サイボーク009』のミュートス・サイボーグ編を思いおこさせる怪人と仮面ライダーとの対決は、作品を超えた戦いの趣さえ感じられました。
そして後期は、大巨人キングダークの指揮のもと、ガマゴエモンのように動物と過去の人物が合体した怪人が活躍します。
人間の持つ特殊能力を動物の力でパワーアップさせるというコンセプトは、怪盗ルパンや吸血鬼ドラキュラなどの創作上の人物も加えて自由度を増し、さらに複数話に登場する怪人も多く、集団劇のような楽しさを生みだしたのです。
その集団劇を一歩進めたのが、『仮面ライダーストロンガー』の後半に登場したデルザー軍団でした。
前半でも活躍していたトランプを操る謎の幹部、ジェネラルシャドウをはじめとした、鋼鉄参謀、荒ワシ師団長、岩石男爵など12人の改造魔人が、リーダーの座をめぐって競い合いながら、ストロンガーに戦いを挑んでいきます。