「ナナも彼女と会ってほしい」
と、話を戻すと、そう、その彼女は日本人だったのです!
さらに彼はこうも言ってきました。
「ナナのことも話してるよ。今日もうちにご飯食べに来るもの言ってるし。黙ってるのは嫌なんだ、嘘ついてるみたいで」
「うん、それはいいよ。でも、彼女の反応はどうよ?」
「いいじゃない、って言ってくれたよ」
まあ、絶対いい気はしてないと思うが……。
「ただ、マッチングサイトで会った人と友達になるってどう言うこと? とは言ってたけど」
それ、絶対だめじゃん。
さらに「でも、僕は、ナナも彼女と会って欲しいと思ってるよ。きっと友達になれる気がする」えええっ、それ、全然いらないーーーっ。
「日本女性の『オーケー』は『オーケー』じゃないからね」とだけその時は伝えておきました。
そこから、うっすらと、彼が私と仲良くしているのは彼女のためなのではないか、とか思い始めました。もちろん、彼女のためだけではないと思うのですが、30年近く住んだノースカロライナから遥々ニューヨークに引っ越してくるわけです。友人がいるのかも知りません。もしかしたら、彼は彼女に日本人の友達もいた方がいいんじゃないか、と思ったかもしれません。まあ、しかしながら、私もそこまでお人好しではありませんし、その彼女も私に興味はないだろう、と思いました。
そんなこんなで、彼女がニューヨークにくる前日になりました。セントラルパークで待ち合わせをしてバードウォッチング、その日は彼のお気に入りの隠れ家スポットを教えてもらいました(ここは凄く良くて、その後も何度も足を運んでいます)。そして彼に、はっきりと言いました。
「私はもうあなたに会わないよ」
「どう言うこと?」
「彼女に集中してください」
「大丈夫だよ! 彼女だって気にしないよ! 彼女はそんな人じゃない!」
「……女はそんなに簡単じゃないんだよ。そんな妄想を抱いているから、ずっと独身なの! とにかく、私なんかいなくても、幸せになれるから。彼女に集中して、二人で幸せになってください。私は絶対にいない方がいいから!」
「ナナ、なんて悲しいことをいうんだ!」
その後も、恨み節のような嘆きと怒りのメールが来ていましたが、こんなことで喧嘩をしているようでは、当の彼女に「あの女なんなの!? なんでしょっちゅう会ってんのよ!?」と言われても、真に受けて喧嘩になるはずです。
すっごくいい人だったし、バードウォッチングもすっごい楽しくて、体脂肪率も凄く下がったので、彼には本当に感謝しかないです。その彼女とも幸せになってくれてたらいいなぁ……。

彼は、私がFacebookに彼とのデートについて書いていることも知っていたし、いつかはコラムなんかも書くかもな〜と言っていたので、今、ここでこんなことを書いているのが不思議な気持ちですが、凄く楽しい2ヵ月でした。さて、次だ!!!
そして次に会ったのも、彼と同じユダヤ人の人でした。そこで私は「典型的なユダヤ人(オーソドックスジューイッシュ)」と言われる人を良く知ることとなるのです。
【次回は2月16日(水)公開予定です】