新年明けて間もない1月4日のニューヨークタイムスに『アメリカの子供たちの危機』と題した記事が掲載された。アメリカではコロナ禍、子どもたちの自殺未遂が急増し、精神科への受診の増加など、子どもたちの心の問題が深刻化している。

でも、これはアメリカに限ったことではない。日本でも小・中・高等学校の自殺率は過去最多となり、子どもの貧困問題も広がっている。

コロナ禍、過去に経験したことがない感染対策や感染予防の情報の中で、学びや遊びの場に大きな変化があった子どもたち。

「データを見ると衝撃的ですが、私の日々の診察を通してもパンデミック禍の子どもの精神的な不調は今まで以上です。感染対策とともに、心のケアも同時に考えなくてはならないと深く感じています」というのは、アメリカ在住の小児精神科医の内田舞医師だ。

以下、内田医師が解説する現状は、アメリカだけの話ではない。コロナ禍で積もった心への重圧をどう回避していけばいいのか、内田医師とともに考えたい。

※内田医師の原稿は以下よりー。

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子どもの心のケアに対して非常事態を宣言

コロナ禍、子どもたちの精神状態・メンタルヘルスが危機的な状況であるということは様々な国で指摘されています。アメリカでは2021年12月 、「National State of Emergency(国家的な非常事態)」としてメンタルヘルスに関して「国家の危機として十分認定できる危機的な状況にある」という発表がありました。

これを発表したのは、アメリカ政府の公衆衛生局長官の軍医総監でした。そして 小児科学会、小児精神科学会、小児病院連合の3団体が共同で、子どものメンタルヘルスが国家の危機として認定できるだけの危機的な状況にあると報告したのです。

国家的な非常事態に関しては、コロナ感染や感染予防に関することがメイントピックスになりがちでだったのですが、明らかにパンデミックによる二次被害として、メンタルヘルスが危機的レベルにあることをアメリカ国家も認めたことになります。

コロナ禍、心のバランスを崩してしまう子どもたちがアメリカだけでなく、日本でも増えている。(写真はイメージです)photo/iStock

私はハーバード大学医学部アシスタントプロフェッサーで小児精神科医として、米国で小児精神科医療の臨床や研究に携わっているので、メンタルヘルスの問題が深刻化していることは、私自身も診察の中で日々リアルに感じています。

実際どういったことが起きているのかに関して、参考記事に紹介されているデータを紹介致します。