父は俳優・映画監督、母はエッセイスト・コメンテーターという芸能一家にうまれた、映画監督の安藤桃子さん。現在39歳、女の子を育てるシングルマザーでもある。親の存在がついて回る幼少期を経て、海外留学で自分を探し、映画界へ飛び込む。映画のロケで訪れた高知県に運命を感じて移住を果たし、結婚・出産、そして離婚……。

そんな安藤桃子さんの半生を綴った初のエッセイ『ぜんぶ 愛。』刊行にあたり、ご本人にお話を伺った。

『ぜんぶ 愛。』安藤桃子/集英社インターナショナル

父・奥田瑛二さん、母・安藤和津さん直伝の“軸”

――エッセイには、安藤さんの幼少期のご家族エピソードや、留学先でのアクシデント、そして妊娠出産時の“理想のバースプラン”などが収録されていますね。そしてどのエピソードでも、常にハプニングが起きますが、安藤さんは常にその事態を柔軟に受けとめて、しかもポジティブに乗り越えていらっしゃる印象を受けました。ネガティブをポジティブ、プラスに変換していくパワーは、どこからくるのでしょうか?

 

安藤:ひとつ、軸をあげるとするなら、両親から常々「人のせいにするな!」と、言われて育ったことでしょうか。これは、父が役者・映画監督というのもあり、作品を描くうえで言えることなのですが、常に「固定観念を捨てろ! そしてすべては自分の“内側”で起きている事と捉えるのが、一番の近道だ!」と、教えられてきました。

生きていたら理不尽な出来事って沢山ありますよね。でもそれに対して「これが無かったらもっと幸せだったのに!」と他責で考えず、「“内側=自分の気持ち”と真に向き合うことで、解決・改善方法が見える」という考え方です。