国のこうしたリーダーシップで、現在では日本株の6割以上は外国人投資家が売買し、日本株の外国人保有率も30%を超えるようにまでなりました。
もっとも、こうした現実があるにもかかわらず、上場企業の大半はいまだに、コーポレートガバナンス・コードを十分に重視しているとは言えません。株主の声には耳を傾けているとも、情報も開示しているとも言いづらい。言わば、「見ざる、聞かざる、言わざる」の“三猿姿勢”を決め込んでいるのです。
2020年代、時代は「アクティビズム2.0」を迎える
しかし、ともかくも「アベノミクス」という“国策”が、外国人投資家の日本株投資を促したことは間違いありません。
そこで動き始めたのがアクティビストたちです。「国策に売りなし」という格言がありますが、国内外のアクティビストは、国が策定したコーポレートガバナンス・コードに基づいた5つの原則から逸脱している企業に対して「エンゲージメント」という、よりコミットメントを強めた形で関わり、対話をし、企業の状況を改善して(この改善の際には経営者に交代を迫るといった手法が用いられるかもしれません)、正攻法で株主価値を上げるという手法に出ているのです。
主なターゲットは、説明不足やIR不足による割安企業、ガバナンス不全企業、さらには親子上場解消企業などです。そして、改善を求めるテーマが資本効率、コーポレート・ガバナンス不全、不採算事業ということで、段階的に個別対話、議決権行使、株主提案、TOBといった手法が主なようです。
こうしたアクティビストの動きが進んでいるにもかかわらず、相変わらず“三猿姿勢”の日本企業も少なくないのが現状です。
しかしこうした企業のなかには、気が付いたら大株主がほとんどアクティビストになっているなんてことも実際に起きています。