2022.01.30
# 日銀 # 為替

1974年の“狂乱物価”、実は「オイルショック」が原因ではなかった…!

では「真犯人」は何だったのか?
1974年、原油価格が高騰した「オイルショック」を経て、「狂乱物価」と呼ばれる強烈なインフレが日本を襲った。かつては原油の値上がりがきっかけだったと考えられていたが、最近では「国内の経済政策」が本当の原因だと明らかになっている。1年間で23%ものインフレを引き起こした「真犯人」について、新刊『物価とは何か』から一部編集のうえ紹介しよう。
現在、世界を襲っているパンデミック下のインフレは1974年と似ていると言われることが多い。1974年を振り返ることはパンデミック下のインフレを考えるヒントとなるだろう。
 

現在からは想像できないインフレ

日本で直近の大きな物価変動は、1974年のインフレ(=物価が持続的に上昇する現象)です。直近と言っても半世紀ほども前の話なので、このインフレを実体験した人もだいぶ少なくなってきました。私自身は中学生のころに経験していて、まわりの大人たちが大騒ぎしていたのをよく覚えています。

この1974年のインフレは、どの程度の物価変動だったのでしょうか。インフレの度合いは総務省統計局が作成する消費者物価指数で測るのが一般的です。消費者物価指数は英語でConsumer Price Indexなので略してCPIとよばれています(この記事でも、以降はCPIという名称を使うことにします)。

Photo by iStock

総務省統計局は、地方自治体の協力を得ながら全国の色々な場所でさまざまな商品の値段を調べ、それを集計することでCPIを計算しています。CPIの詳細は『物価とは何か』で説明しているので、ここではそうやって調べた商品の値段の平均値がCPIだと考えていただけば十分です。

1974年には、そのCPIが前年に比べ23%上昇しました。これに対して、2020年のCPI前年比はゼロ%です。コロナ禍の年なので特殊例かと思われるかもしれませんが、2019年も2018年も、CPI前年比は同じようなものでした。このことから、23%というのがいかに高い数字かわかると思います。このインフレは、当時の福田赳夫蔵相の命名により「狂乱物価」とよばれています。

SPONSORED