――特撮文化そのものが消滅するかもしれないことに、危機感を抱く声もあります。
2004年に東宝の特撮映画は終わり、東宝スタジオの特撮用大プールが取り壊されました。それ以降、東映などで部分的に特撮は続いていますが、かつての東宝のような「ミニチュアの街並みを作って怪獣が暴れる」という撮影手法の作品は消滅しつつあり、職を失った多くの仲間、スタッフたちを見てきました。
そういう状況で、今作のように造形の要素と最先端のデジタル技術が融合した作品が人の心を打つことができれば、ひとつの活路になるかもしれないという想いはあります。幸い佛田組には東宝時代からの美術、操演(爆発などの演出)、照明などの専門スタッフがまだいますから、それは心の救いでもあります。
――そのような造形を含む特撮の技術は、この先も脈々と受け継がれていかなければならないと思います。
技術を持ったスタッフは減少傾向で、かなり先細っています。どこまで続けられるかわからないですが、まだ先ほどのような人たちがいますし、僕もまだまだ働けますから、決して希望がないわけではないです。
――デジタル作品が増える一方で、リアルの良さを改めて感じている世の中の向きもあります。
新しいテクノロジーを使って今までとは違うものを作っていく時には、新しい力や人材が必要になる。それ自体は決して悪いことではありません。一方、造形のような古い技術であっても、映画文化を担ってきた以上なくなることはないと思いますが、仕事がなければ技術者は職替えせざるを得ない。
ですから未来のことを考えると、三木監督のように特撮を愛する監督がほかにも出てきて、また違うスタイルの怪獣映画が作られていくのが望ましいですね。
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公式ホームページはコチラ:https://www.daikaijyu-atoshimatsu.jp/
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