阿蘇山の「巨大噴火」は必ずやってくる…日本列島をおおう「被災者1億人」の現実味

火山灰にのみこまれる

前編記事の『日本で必ず起こる「阿蘇山噴火」…トンガ「100倍越え」の大災害がやってくる』では、1月15日に発生した、トンガ付近の海底火山よりも、大規模な破局噴火が日本で起こる可能性についてをお伝えした。では、実際にそんな大災害に見舞われた際、その影響はどのレベルにまで達するのだろうか…?専門家の意見から明らかにする。

一瞬にして焦土と化す

火山灰や軽石、火山ガスなどが一体となった火砕流の温度は700℃に達する。これが、高さ数百mを超える横なぐりの巨大な噴煙の壁となり、特急列車並みの速度で海面の上を移動して九州に到達したのだ。

行く手にあるものすべてをなぎ倒し焼き尽くしながら、九州南部の人間と動植物を一掃した。

これだけでも歴史的な大災害だが、さらなる被害が待ち受けている。

「巨大な噴煙が空を覆い、夜のように暗くなった地表に大量の火山灰が降り注ぐのです。やがて噴煙は九州全体を覆い、偏西風に流されて関東地方にまで移動しました。九州では50cm以上、遠く離れた紀伊半島でも厚さ20cm以上の火山灰が積もっています。

西日本の森林はすべて枯れて、食料の大半を植物に頼っていた縄文人は飢餓に陥りました。その上、有毒な火山灰による呼吸器障害に見舞われたことで、大半の人間が死滅したのです」(京都大学名誉教授で地球科学者の鎌田浩毅氏)

縄文時代、破局噴火によって日本は一度滅んだというわけだ。その後の南九州は900年にわたって照葉樹林の森が復活しなかったという。

上空から撮った阿蘇山(Photo by gettyimages)上空から撮った阿蘇山(Photo by gettyimages)
 

そして、地質記録がよく残っている過去12万年の中で、もっとも規模が大きかったのが阿蘇カルデラを作った阿蘇山の大噴火だ。日本大学教授で『破局噴火—秒読みに入った人類壊滅の日』著者の高橋正樹氏はこう語る。

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